毎度お邪魔する小料理屋の若女将さんから「今日はとり貝が入ったから食べに来てねえ」のメール。
このお店は、伊勢湾・三河湾で採れた所謂「地物」の中から第1級の「目利き」の親父さんが市場で厳選して納得して仕入れたものだけを食べさせてくれるお店。地元でもここまで良心的な処はなかなかありません。
ここ数年、伊勢湾では貝類が激減しており、その中でも特に水質汚染に敏感とされる「とり貝」の減少ぶりはひどいと言えます。
つい10年ほど前までは、旬を迎えるこの季節には簡単に手に入ったものですが、ここ数年は、こうして連絡をもらわないと地元でも食べ損なってしまうほど希少になりました。
伊勢湾の現状には本当に憂いと危機感を覚えます。
以前にも書きましたが、僕は、やはり「長良川河口堰」の建設が甚大な影響を与えていると考えています。
自然河川の水流により、山間部からミネラルを多く含んだ栄養豊富な淡水が運ばれる事。水流によってヘドロ化していない粒砂が海底に供給され、それが堆積することにより浅瀬を形成し天然の浄化槽が機能する事。
これらの源である河川を遮断された海はこのままでは死を迎える事になるでしょう。
一刻も早く水門を開けて新鮮な河川からの水を海に届けるべきだと思います。
「死の海」へ向かって突き進む現状を一刻も早く改め、かつてのように「豊饒の海」へ再生することを強く望みます。