1983年7月23日 、新潟競馬場 。
その年の梅雨はまだ明けきっておらず、馬場コンディションは「不良」。そこに1頭の若き競走馬が初めてレースに挑もうとしていました。 その距離、1000m。
その馬は見事、2着に2 1/2馬身(馬の身長の「2頭と半分」の長さ)の差をつけ、圧倒的な強さで勝利をおさめたのであります。これこそが、以後、「皇帝」と呼ばれる事になる名馬「シンボリルドルフ」の鮮烈なデビューの瞬間でした。これ以降、「皇帝」はその称号をほしいままに1984年には、クラッシク3冠馬となり、引退するまでに「G1レース7勝」という大記録を打ち立てる事となります。そして、この「シンボリルドルフ」の先祖こそが前編で書いた「バイアリー・ターク」なのです。
「皇帝」の手綱は、1人の「侍」の手に委ねられていました。彼は、その卓越した「技能」と、そして、誰よりも熱い「情熱」と旺盛な「パイオニア精神」を持ち、日本競馬界において数多くの歴史舞台の立役者となっていくのです。この続きは後編にて・・・・・・