以前、書いた GPU 編 の続きです。
>>ブルースクリーン&フリーズ! GPU 編
>>ブルースクリーン&フリーズ! avast! 編 NEW!
【1. 症状】
冬の寒い日に、PC が ブルースクリーン・フリーズする
【2. 原因】
PC内部の部品の結露
【3. 対処法】
・PCの電源を切る前に、部屋の換気をする
・PCの電源を付ける前に、部屋を暖房で温める
【4. 結露の基礎知識】
冬の結露は嫌ですね~。
眼鏡は曇るし、窓ガラスは曇るし、風呂場の壁は乾かないし。
実は、PCや携帯・スマホなど、電子機器の内部も結露します。
以下のサイトでは、実際に、PC内部を結露させた実験を行ったり
結露させないように呼びかけています。
>>極寒!PCやスマホの結露故障に注意! | ヤフーニュース
>>寒い日にわりと良くおきるPCトラブル「朝だけPCが起動しない」
>>水濡れによる故障からウォークマン®を守るために | SONY
そもそも、なぜ、結露は起こるのでしょうか?
小学校の理科で、水には 3つの状態 があると習います。
固体の氷、液体の水、気体の水蒸気です。
水を100℃に沸騰させると、水蒸気になるのですが
実際は、水を沸騰させなくても、空気中に水蒸気が混じっています。
その、水蒸気が、空気中に混ざることのできる量には限界があって
湿度 100% になるときが限界なのですが
気温が低いほうが、限界値が低いです。
だから、急激に冷やされた水蒸気は、気体の状態を保てなくなり
水に戻ります。
これが結露です。
以下、この現象を、わかりやすく説明します。
例えば、窓ガラスを例に挙げると
屋外の冷えた空気が、窓ガラスを冷やします。
冷えた窓ガラスに、屋内の暖かく湿った空気が当たると
窓ガラス表面で、水蒸気が気体の状態を保てなくなり
水に戻り、結露します。
この、水蒸気が気体の状態を保てなくなる限界値
湿度 100% になる水蒸気の量を
飽和水蒸気量と呼びます。
空気 1m3当たりの、水蒸気の質量( g ) で表されます。
ここからは、高校の化学の話になりますが
グラフの読み方さえわかれば何とかなる話なので
グラフの読み方を図解します。
まず、Wikipedia に書いてあった数式を用いて
飽和水蒸気量のグラフを Excel で作りました。
気温が高ければ高いほど、飽和水蒸気量も高くなることがわかります。
今回は 100℃ までは必要ないので、40℃ まで抽出したものが以下のグラフです。
ちょうど、気温 30℃ のときの飽和水蒸気量が 約 30 g/m3 なので
この気温を基準に、湿度を求めてみましょう。
湿度 (%) = 空気中の水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量 × 100
例えば、気温 30℃ で、部屋の空気中の水蒸気量が 15 g/m3 のとき
湿度は 50% です。
それでは、気温30℃ で、部屋の空気中の水蒸気量が 20g/m3 のとき
湿度は 何% でしょうか?
答えは、湿度 約 66% ですね!
ここからが問題です。
この 気温 30℃ 湿度 66% の部屋が密閉されて
水蒸気が部屋の外に逃げないとき
気温が 10℃ まで下がったとしたら、湿度は 何% でしょうか?
答えは、湿度 100% です。
しかも、100% を超えた分の水蒸気は、水に戻りますので、結露します。
何に対して結露するでしょうか?
金属のように熱伝導率が高くて、薄いもの が真っ先に冷えますから
優先的に結露します。
ということで、PC内部の部品 が 結露するんですね。
PC が 結露するメカニズムさえわかってしまえば対処できます。
例えば、都内の平地に住んでいる場合
部屋の気温がマイナスになることは、滅多にないはずですから
0℃ になったときに 湿度 100% にならなければいいので
目安として 部屋の気温が 15℃ のときに、湿度 40% 以下ならば
結露は、ほぼ起こらないです。
参考までに、結露が起こらない湿度の目安の表を、下に記載します。
この結露が起こらない湿度にするためには
湿度の低い、晴れや曇りの日ならば
部屋の窓を開けて、外気と換気するのが、てっとり早いです。
今日・明日の 東京都立川市 の 気温と湿度 をもとに
空気中の水蒸気量を計算してみました。
出典 : excite.天気
上のグラフで
0℃の飽和水蒸気量 4.9 g/m3 を上回ることがないとわかりますから
外気と部屋の換気をすれば、PC の結露は防げます。
換気のタイミングは、PCの電源 を消す前です。
特に、料理やシャワーの後、家全体の湿度が上がっているときが要注意なので
必ず、換気扇を回すなどして、湿度を下げてください。
雨の日など、換気しても湿度が下がらない場合
暖房などで、部屋の温度を下げすぎないようにすれば、結露は防げます。
とりわけ、雨の日の、狭く密閉した空間の
多数の人がいる場所が最悪なので
できる限り、精密機器を持ち運ばないようにするのがベターでしょう。
<参考サイト>
物質の三態 ~姿は違っても同じ物質~ | NHK高校講座
ガラスの豆知識Vol.12 結露について | Glass Praza-PRO