利上げに備えよ | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

利上げに備えよ

早ければ3月にも利上げする可能性があるというジャネット・イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言でのメッセージは、何人かの地区連銀総裁が14日から15日にかけて一斉に同様の見解を示したことでいっそう現実味が増した。

イエレン議長は14日と15日の議会証言で、経済が引き続きFRBの予想通りに改善すれば「今後数回の会合(連邦公開市場委員会=FOMC)」で政策金利の翌日物フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を引き上げる可能性が高いと述べた。

数人の連銀総裁がこれに同調し、議論の対象となるのは利上げの是非ではなく、その時期と規模であるとの考えを示した。

フィラデルフィア地区連銀のパトリック・ハーカー総裁は15日、フィラデルフィアでの講演で、「このままの(経済)状況が続けば、2017年に3回の利上げを行うのが適切だろう」と指摘。「目下のところ(物価上昇圧力の抑制で)FRB(の政策)は後手に回っていないと思うが、この点が(次の金利政策を検討する中で)私が懸念していることだ」と話した。

ボストン地区連銀のエリック・ローゼングレン総裁は同じく15日、ニューヨークで講演し、一段と積極的な利上げ見通しを示した。FRBが昨年12月のFOMC後に公表した金利見通し(中央値)で今年の利上げ回数が3回とされていることに言及し、「少なくとも(この金利見通しと)同じペースで短期金利を引き上げることが恐らく適切で、場合によっては予想より若干早いペースで引き上げる可能性もある」と述べた。

一方、14日に講演したリッチモンド地区連銀のジェフリー・ラッカー総裁とアトランタ地区連銀のデニス・ロックハート総裁は、次回利上げの時期についてそれぞれ異なる見方を示した。ラッカー総裁はデラウェア州ニューアークでの講演で、金利を「大幅に引き上げる」必要があり、「3月利上げの必要性はかなり強い」とした。一方、アラバマ州ハンツビルで講演したロックハート総裁は、経済にインフレ圧力が無いためFRBはもう少し長く待てるとし、利上げを「急ぐ必要はないと思う」と主張。「FOMCが3月の会合でどのような判断を下すかは分からないが、実際のところ(3月に)利上げする説得力のある理由は見当たらない」と話した。

FRBは昨年12月のFOMCで翌日物FF金利誘導目標を0.5〜0.75%に引き上げ、景気過熱を防ぐために今年3回の利上げを見込んでいることを明らかにした。次回FOMCは3月14日・15日に開かれる。
 

東岳証券 公式Facebook