中国に左右されるビットコイン | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

中国に左右されるビットコイン

 仮想通貨の代表格のビットコインの価格が乱高下している。

 

 2016年12月から17年初にかけて急上昇し、約3年ぶりに1000ドルを突破したが、その後一時40%も急落した。その裏に何があったでしょうか?

 

 ビットコイン乱高下背景にあるのは中国の人民元安及び資本規制といわれている。

 

 もともと中国人投資家が資本規制の厳しい同国から資金を逃がす為、抜け道としてビットコインを使っていた。16年はビットコインを介して人民元をドルに換える動きが急増、調査機関ビットコイニティーによると、中国でのビットコイン取引は、過去半年で全世界の取引高の98%を占めた。

 

 米大統領選後「トランプ相場」によるドル高に伴い人民元が大幅に下落する中、通貨安による資産の目減りを回避する為、人民元でビットコインを購入する投資家が急激に流れ込んだことで、ビットコインは高騰し、2017年1月5日には最高値をつけた(1ビットコイン=150305円、ビットフライヤーより)。

 

 しかし、同日に中国当局が市場の引き締めに動き、人民元が反発した為、ビットコインの上昇勢いが抑えられ、売りが優勢になった。さらに11日には、中国の中央銀行である中国人民銀行が、中国のビットコインの取引所に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)や不正な為替取引などがないか調査に乗り出したと発表したことを受け、ビットコインが急落、一時40%安の9万円割れとなった。

 

 ビットコインが日本で大きく話題になったのは2014年に日本を拠点としていた世界最大級の取引所「マウントゴックス」の破綻だ。顧客の預かり資産が消滅し、利用者保護などの課題が浮上した。その後、ビットコインを含む仮想通貨の利用者を保護するためのルール作りの機運が高まり、2016年5月に「仮想通貨法」が参院本会議で可決され、ビットコインの信頼性が高まり、再び受け入れられつつある。

 

 目先のビットコインは年初の下落から徐々に落ち着き、10万円前後で推移しているが、今後中国もビットコイン相場に神経をとがらすと予想される。 

 

ビットコイン(Bitcoin)とは
インターネット上で流通する仮想通貨の代表的存在。政府や中央銀行の裏付けはなく特定の管理者はいないが、ネット上の取引所でドルや円と交換可能で、商品やサービスの代金決済にも使える。安い手数料で海外へ送金できるが、資金洗浄への悪用も懸念されている。ビットコインは2009年に開発され、2016年末の時価評価額が1兆6000億と言われている。