人民元のオンショア市場とオフショア市場
人民元市場にはオンショア人民元市場とオフショア人民元市場が分かれて存在しています。この2つの人民元市場では、規制の有無や市場の取引参加者が異なるため、為替レートも異なるものとなります。
従来、人民元は中国当局の通貨規制により中国本土内でのみ使用することが可能であったため、人民元の市場は中国本土内にのみ存在していましたが、2009年7月に中国当局は中国と香港との間における人民元建て貿易決済を解禁されたことで、中国本土外でも人民元での決済が認められるようになってきました。
さらに近年、中国当局は規制緩和を段階的に拡大したことに伴い、香港を中心とした人民元市場(オフショア人民元市場)が発展し、依然 売買規制が残っている中国本土内の人民元市場(オンショア人民元市場)とあわせ、2つの人民元市場が存在することとなっています。
オンショア市場は中国本土に居住する人が参加する国内の人民元外為市場で、一般的には上海市場を指します。ここでは1日の変動幅が制限されており、原則として輸出入などの実需に基づく元と外貨の交換しかできません。一方のオフショア市場は中国本土外の居住者が参加する人民元外為市場(主に香港市場)です。こちらは中国政府による規制はなく、変動幅の制限もありません。
