ギリシャが無秩序なデフォルトに陥る懸念が緩和され、リスク志向が回復へ
7日、ロイター通信は、ギリシャ政府高官が政府が政治指導者に対し提示する1,300億ユーロの第2次支援の受け入れに関する合意文書を準備していることを明らかにしたことを報じた。こうした動きは、ギリシャ債務減免協議について、政府が民間債権者との合意おおむね得られたことを示しているものとみられる。この報道を受け、市場ではギリシャが無秩序なデフォルトに陥る懸念が緩和し、リスク志向が回復したことから、株式市場は押し上げられた。だが、結果が出る前に、市場の慎重ムードが高まるため、株式市場の上昇幅が限定された。
ダウ平均指数は前日比33.07(0.26%)高の12,878.20、S&P500指数は前日比2.72(0.20%)高の1,347.05、ナスダック指数は前日比2.09(0.07%)高の2,904.08で引けた。米国工業30株価指数先物CFD3月限は前日比55(0.43%)高の12,829、米国E-mini SPX500株価指数先物CFD3月限は前日比5.50(0.41%)高の1,344.50、米国NDAQ100株価指数先物CFD 3月限は前日比4.75(0.19%)高の2,529.50で終了した。
セクター別と個別銘柄では、金融株はより軟調となった。バンク・オブ・アメリカは1.51%安の7.85ドル、JPモルガン・チェースは0.71%安の37.87ドルで引けた。企業決算面では、米コカ・コーラの2011年10-12月(第4四半期)決算は売上高が110.4億ドル、季節調整済で1株あたり79セントとなり、ファクトセット・リサーチ・システムズが実施した調査において、アナリストらによる平均予測値を上回ったことを好感し、同社株は0.76%上昇した。外食店チェーンを運営する米ヤム・ブランズの第4四半期決算は売上高が41.1億ドル、純利益が3.56億ドルとなり、1株あたりが75セントとなったことを受け、同社株は2.63%上伸した。
主力セクターの鉱業株と銀行株は高安まちまちとなる中、7日のロンドン株式市場は小幅に下落して引けた。イギリスFTSE100指数は1.94(0.03%)小幅安の5,890.26で終了した。イギリスFTSE 100株価指数先物CFD3月限は前日比5.0(0.09%)安の5,839.5で終了した。
セクター別と個別銘柄では、中国需要が低迷する兆しがあるため、鉱業株は下落した。また、商品取引会社グレンコア・インターナショナルがスイスの資源大手エクストラータを買収価格は予想を下回ったことで、両社はこの前の上げ幅を大幅に吐き出した。グレンコア・インターナショナルは3.80%、エクストラータは4.88%、と共に下落した。他の鉱業株では、ユーラシア・ナチュラル・リソーセズ・コーポレーシヨンは2.56%、ランドゴールド・リソーシズは3.57%、と軒並み安となった。銀行株は逆行して上伸した。バークレイズは0.69%、HSBCは0.81%、と一緒に上昇した。他の上昇株では、ファイナンシャル・サービスのハーグリーブス・ランズダウンは4.40%、BGグループは2.41%、と共に上伸した。
ご注意事項
1. 当コラムは投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定は、必ず御自身の判断でお願いいたします。
2. 当コラムの内容によって生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いません。