ギリシャ懸念の改善より、ユーロ/ドル強く反発上昇
7日の欧州時間、市場ではギリシャ連立政権が第2次支援受け入れの是非をめぐる会合の結果を待っているため、ドル以外の通貨は狭いレンジでもみ合った。欧州時間序盤、フランスが発表した2011年12月の貿易赤字は予想よりやや低いが、2011年貿易赤字は696億ユーロとなり、過去最高記録を更新した。これを受け、ユーロドルは1.3167から1.3100付近まで反落した。また、独12月鉱工業生産は前月比マイナス2.9%となり、予想を下回ったこともユーロを圧迫した。当時間帯、ポンドドルは高値圏で保ちあい、1.5790から1.5830までのレンジで推移した。午後、スイス国立銀行のジョルダン暫定総裁は、スイスフランの上昇阻止に向けあらゆる手段を尽くす姿勢も示し、スイスフラン高対策として、スイスフランの上限1.20フランを死守する。
また、必要時、外貨を無制限に買い入れる用意があるとの考えも示した。これら発言を受け、ドルスイスフランは当日の高値0.9226をつけた。ニューヨーク時間序盤、ギリシャ政府高官がこの日、政府が政治指導者に対し提示する1,300億ユーロの第2次支援の受け入れに関する合意文書を準備しており、連立与党党首の承認を求めることを明らかにした。これにより、同国は債権者と援助問題の交渉は基本的に終了したと意味した。また、米連邦準備理事会のバーナンキ議長は、当面の米国経済が依然として軟調となり、連邦準備理事会は欧州の危機が米経済に打撃を与える事態を防ぐ決意をあらためて表明した。
当時間帯、リスク通貨は大幅に上昇し、ユーロドルは今年以来の高値1.3269を更新し、ポンドドルは1.5900関門を突破した。終盤、ギリシャ政府筋は7日に予定されていたギリシャ連立与党の党首らによる対ギリシャ第2次支援をめぐる会合は、8日に延期されたことに明らかにした。
ご注意事項
1. 当コラムは投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定は、必ず御自身の判断でお願いいたします。
2. 当コラムの内容によって生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いません。