市場焦点再び欧州へ | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

市場焦点再び欧州へ

 先週金曜日の米雇用統計の好材料を織り込み済みであり、市場は再び欧州に焦点を移した。本日アジア時間、後数時間しか残っていないのに、ギリシャの債務減免交渉はまだ合意できないままであるため、ユーロをはじめとするリスク通貨は圧迫され軒並み下落し、対ドルで先週金曜日の上げ幅を吐き出した。ユーロドルは1.3100関門を下抜け、1.3060付近まで下トライした。ポンドドルは1.5770水準まで下落し、豪ドルドルは安寄りした後にも続落した。取引時間中に発表された豪12月小売売上高が予想外に低下したことから、豪ドルドルは一段と売りに押され、終盤に1.0710付近まで値を消した。


 欧州時間になると、リスク通貨は対ドルで一旦反発したものの、すぐにリスク回避ムードに主導された。ギリシャ政府役員は、6日は支援受け入れの条件に対する回答期限ではないと述べた。これを受け、同国のデフォルト(債務不履行)をめぐる懸念が更に高まったため、ユーロを始めとするリスク通貨は対ドルで下げペースが加速した。


 本日欧州時間にドイツの12月製造業受注が発表される予定であり、市場の関心が集まっている。製造業の受注金額を表すものであり、耐久財、資本財、非国防財についての数字が算出され、国や地域の製造業の動向を反映できる。通常はメーカーは注文を受けてから生産を始めるため、設備投資の先行指標となる。独11月製造業受注は前月比と前年比がいずれも4%超減少し、製造業の縮小を示した。本日の12月製造業受注は前月比0.1%、前年比0.8%増加すると予想されている。発表の結果が事前予想を上回れば、ドイツの製造業への信頼感が強まり、ユーロの支援材料になる。逆に更なる縮小を示した場合、ユーロの売り材料になると考えられる。


 ニューヨーク時間に発表予定の加1月Ivey購買部協会指数にも注目したい。Ivey購買部協会指数とは、製造業の購買部を対象に、生産・新規受注・商品価格・在庫・雇用価格・受注残・輸出・輸入等八つの項目が前月に比べ良くなったか否かのアンケート調査をしたもので、GDPの製造業部門の供給側を示す。製造業の景況感を示す重要な経済指標であり、50が景気判断の分かれ目となり、50超の場合は景気は改善、50を下回る場合(特に40に近づく場合)は景気の後退を示すと見なされる。本日の1月Ivey購買部協会指数は前月の63.5から57.0まで大幅に低下すると予想されており、製造業の回復見通しへの悲観的な見方が示されている。加ドルはいつも同国の経済指標に敏感に反応している。仮に発表の結果が事前予想よりも悪化すれば、加ドルに売りが入るだろう。



2/6FX夕刊レポート から抜粋)


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