低調な米GDPの結果を受けドルが下落しスポット金が上昇!
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ギリシャの高官が民間債権者との間で進めている債務減免に関する協議がまもなく合意に至るとの見方を示したことに加え、米国の第4四半期国内総生産(GDP)が弱い内容となったことを手がかりに、ドルの売りが優勢となった一方、27日のスポット金はこの前の2取引日の上昇の流れが継続した。あるギリシャの高官は27日、ギリシャの債務交換協議で、ギリシャ政府は1月29日夕までに民間債権者と暫定合意に達する可能性がある。この発言を受け、リスク選好志向が大幅に改善し、ユーロなどのリスク通貨はドルに対して大幅な上げを見せた。ドルの反落は金相場を押し上げた。また、米商務省が27日発表したデータによると、米国の2011年第4四半期GDP・速報値は前期比年率2.8%増となり、前回値の1.8%増を上回ったものの、市場予想の3.0%増に届かなかったため、米連邦準備理事会(FRB)が新たな金融緩和策を打ち出すとの観測が高まり、ドルがさらに下落したことは、金相場の買い材料となった。最終的には、当日のスポット金は前日比16.6ドル(0.96%)高の1,737.3ドルで終了した。スポット銀もつれ高となり、前日比0.47ドル(1.41%)高の33.90ドルで終了した。
27日に発表された米経済指標がさえない結果となったことを背景に、数取引日連続で上昇していた銅先物の利益確定売りが出たことから、27日のCOMEX銅先物は下落して引けた。米国の2011年第4四半期GDP・速報値は前期比年率2.8%増となり、市場予想の3.0%増を下回ったほか、米国の第4四半期個人消費・速報値は前期比2.0%上昇し、市場予想の2.3%上昇に届かなかった。だが、中国による銅需要増加の見通しは銅相場の下げ幅を制限した。最終的には、COMEX銅先物3月限は前日比0.15セント(0.04%)安の388.60セントで引けた。
米国が27日に発表した経済指標の結果が市場予想に届かなかったため、原油需要の見通しへの懸念が強まっており、27日の原油先物価格は小幅安となった。しかし、中東情勢の緊張を受け、ペルシャ湾地域の原油供給をめぐる懸念が根強いことから、原油相場はややサポートされた。アジア時間、原油相場は穏やかな展開となり、寄り付いた後おおむね99.80ドルを挟んで上下を繰り返した。欧州時間からニューヨーク時間にかけて、原油相場の変動がアジア時間より激しくなり、ニューヨーク時間序盤ごろ一時当日の高値となる100.61ドルをつけたものの、間もなく100.00ドル関門を割り込み、最終的には小幅に下落した。当日のNYMEX原油先物3月限は前日比0.29ドル(0.29%)安の99.45ドルで引けた。
ドルの軟化にもかかわらず、米経済指標の弱さにより、米国の経済先行きに対する期待感が弱まり、需要増加に乏しいとの懸念から、27日の大豆と小麦先物は軒並み軟調に推移した。CBOT大豆先物3月限は前日比3.75セント(0.31%)安の1,218.75セントで引けた。CBOT小麦先物3月限は前日比4.75セント(0.73%)安の647.25セントで引けた。
(1/30 商品レポート から抜粋)
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