先週のFXダイジェストレポート
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23日の欧州時間、欧州連合(EU)の情報筋によると、EU各国の大使が既にイラン産原油禁輸などを含む同国に対する追加制裁措置で合意し、7月1日から完全に実施するという。このニュースで原油価格が暴騰した。原油価格の反発に従い、国際商品の価格も上伸し、リスク通貨もつられて上昇した。その後、ドイツが12ヶ月物のブビル国債入札で25.4億ユーロを調達した。結果が良かったため、ユーロの好材料となった。欧州終盤、フランスが総額82.01億ユーロの国債入札を実施したことで、市場のリスク選好志向が高まり、主要リスク通貨は更に上昇した。ニューヨーク時間、欧州委員会経済通貨問題担当オリレーンは、ギリシャ政府が民間債権者と債務再編成協議に関する交渉がうまく行われ、今週で終了するつもりであることを示した。同時に、イングランド銀行(BOE)の金融政策委員会アダムポーゼンは、イギリスが欧州債務危機以前の成長に戻り、将来数年のインフレ水準は継続に下がるものの、失業率は上がるだろうと示した。当時間帯、リスク通貨は対ドルで一時上昇した後反落した。欧州時間からニューヨーク時間、ユーロドルは1.2900付近から当日高値の1.3050をつけ、その後やや反落したが1.3000上方で推移している。ドル加ドルは1.0125付近から1.0150水準で下げ止まったが、その後1.0080付近まで反発した。ポンドが弱く、対ドルで1.5600関門を突破した直後反落し、1.5570付近で下げ止まった。ドル円は76.90付近で調整し、動き幅が20 pips余りのみであった。
24日の欧州時間、ユーロ圏の政策決定者とギリシャの債権者との債務協議が難航したことで、市場ではギリシャが無秩序なデフォルト(債務不履行)に陥る懸念が再び高まり、リスク回避ムードが広がり、主要リスク通貨は圧迫された。終盤になると、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のソブリン債担当マネジングディレクター、ジョン・チェンバース氏はこの日、ギリシャ政府が債務再編成を決定した後、同国の格付けを「選択的デフォルト(債務不履行)」に引き下げる可能性があると発言した。S&Pの「追加傷害」のことで、不景気の欧州に更なる打撃を与えた。当時間帯、コモディティ通貨の下落が目立ち、豪ドルドルは当日安値の1.0430付近まで値下げ、ドル加ドルは1.0140付近まで上伸した。ユーロドルは1.2950水準まで下落した。一方、ポンドはやや堅調であり、一時小幅反落した後すぐ下げ幅を回復した。ニューヨーク時間に入り、市場のリスクセンチメントが緩和し、ユーロ、豪ドル、加ドルは対ドルで底打ちした後反発し、欧州時間の大部分下げ幅を取戻した。この前堅調なポンドドルが引続き当日高値を更新して1.5626まで上昇した。当時間帯、欧州中央銀行(ECB)のゴンサレス・パラモ専務理事は、ユーロ圏に量的緩和金融政策が要らないことを発表した。このニュースがユーロの好材料になった。
25日の欧州時間、ドイツ政府は1月IFO景況指数を公表した。結果が良かったことから、ドイツの景気が順調に回復しているのが見られるものの、ユーロへの支援は短期間であった。ある情報筋によると、欧州中央銀行(ECB)が当行のギリシャ債務を減免することを拒否したという。このニュースでユーロを始め各リスク通貨は下落した。そして、昨日公表された英金融政策委員会の議事録によると、委員らが全員量的金融緩和政策の規模を維持することに投票し、資産買い入れプログラムの規模を拡大するべきであることを主張する委員は一部であった。今回の議事録から金融緩和政策の規模を拡大する明確な情報が見られなかったため、ポンドドルは支援されて小幅高となった。正午になると、市場がFRBの政策金利決定を期待しているため、リスクセンチメントが高まり、主要リスク通貨は持ち直して反発した。正午になると、連邦公開市場委員会(FOMC)が少なくとも2014年終盤まで政策金利を異例の低水準に据え置く方針を表明し、以前は2013年までであった。それに、強硬なタカ派委員3名、フィッシャー・ダラス地区連銀総裁 、コチャラコター・ミネアポリス地区連銀総裁、プロッサー・フィラデルフィア地区連銀総裁が今年の投票権を失ったことに従い、FOMC内部の権力バランスが壊れることを意味する。ハト派が多数であることを背景に、市場ではFRBが量的緩和第3弾(QE3)を実施する観測が高まり、ドルが圧迫され、主要リスク通貨は対ドルで大幅反発した。ユーロドルは1.3100関門の上方で推移し、豪ドルドルは1.0600水準を上抜けた。
26日の欧州時間、米連邦準備理事会(FRB)の表明した政策金利を異例の低水準に据え置く期間が市場予想よりも長く、バーナンキFRB議長が将来多くの経済刺激策を実施することを示したことが共に市場に完全に消化されていないことから、ドルインデックスが引続き下落し、ユーロ、ポンド、豪ドルは対ドルで最近の高値を更新した。一方、ドル加ドルはパリティー水準を下抜けた。ギリシャ政府の債務再編成がまだ難航しているほか、ドイツ政府が欧州安定メカニズム(ESM)の規模を拡大することを拒否したことから、ユーロの反発は弱かった。欧州終盤、米国が多くの重要経済指標を公表した。そのうち、12月耐久財受注は事前予想を上回ったものの、弱いデータによるマイナス影響が相殺できない。米国労働省(DOL)のデータによると、先週新規失業保険申請件数が37.7万件と、前値を上回った。また、米国商務省(DOC)が発表した12月新築住宅販売件数も予想を下回った。市場では、FRBが追加量的緩和金融政策を実施することへの観測が高まり、ドルインデックスが続落し、主要リスク通貨は対ドルで再び支援された。ニューヨーク時間になると、欧州連合(EU)サミットの素案が実質的な内容が乏しいため、欧州が改めて市場の焦点になった。欧州債務危機への懸念が市場のリスクセンチメントを抑制し、主要リスク通貨は対ドルで前期の上げ幅を吐出した。
27日の欧州時間序盤、欧州株式市場の安寄りは市場のリスク志向を圧迫し、ドル以外の通貨は当日の安値付近で推移した。だが、その後ドイツのショイブレ財務相は、「ギリシャのデフォルトは予想していない」と述べ、「ギリシャのデフォルトは避けられるし、われわれは実際に回避する」と付け加えた。同時に、欧州委員会のレーン経済・通貨問題担当は、ギリシャ債務交換協議での「合意は非常に近い。」と述べた。これらの言論にサポートされ、ユーロドルは当日の高値1.3160を更新した。ニューヨーク時間序盤に入ると、米国GDPデータは予想を下回ることで、ドルインデックスは上昇し、ドル以外の通貨は急落し、ユーロドルは1.3150付近から1.3100下方まで急落し、豪ドルドルは1.0661から1.0596まで値下がりした。米第4四半期GDP・速報値は前期比年率2.8%増となり、予想は3.0%増であった。その後発表された米1月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値は事前予想を上回ったことで、ドルインデックスは持ち直して反発した。ニューヨーク時間午後、レーン経済・通貨問題担当委員はギリシャ債務協議は、「本日でなくとも週末にも合意へ」、欧州連合(EU)はギリシャのデフォルトを回避するために取り組むとの見方を示したことが材料視され、市場のリスク志向が再度改善された。ユーロドルは再び当日の高値1.3219を更新し、豪ドルドルは当日の高値付近まで急速に反発した。同時に、イングランド銀行(英中央銀行)のマイルズ金融政策委員は一段の量的緩和を実施すべきかに関する自身の最終判断は、最新の経済見通し次第と述べたことを受け、ポンドは安値を試してから反発し、ポンドドルは当日の高値1.5738を更新した。ニューヨーク時間終盤、格付け大手「フィッチ・レーティングス」は、イタリアなどユーロ圏5か国の国債の格付けを引き下げた。ドル以外の通貨は高値で保ちあった。
(こちら の1/30週間FXレポートより抜粋)
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