FRBの景気刺激でスポット金は上昇
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26日のアジア時間、スポット金は狭いレンジ内で保ち合い展開となった。欧州時間序盤ごろ若干反落し、当日の安値となる1,703.0ドルをつけてから再度上昇に転じ、ニューヨーク時間序盤にかけて当日の高値となる1,730.5ドルを打診し、その後は上げ幅の一部を吐き出した。ファンダメンタルズでは、米労働省が26日に発表した1月21日までの新規失業保険週間申請件数は37.7万件まで増加し、前回値は35.6万件に上方修正された。雇用市場の軟化により、米連邦準備理事会(FRB)が景気刺激のため、緩和金融策を維持するとの観測が広がっていることから、ドルが圧迫されて下落し、ドル建ての金は買われた。最終的には、当日のスポット金は前日比10.3ドル(0.60%)高の1,720.7ドルで終了した。スポット銀はスポット金につられて上伸し、前日比0.27ドル(0.81%)高の33.43ドルで終了した。
FRBは米国経済成長を支援するために、フェデラルファンド(FF)金利を異例の低水準0.0%-0.25%に据え置いたことを2014年終盤まで継続する方針を明らかにした。これを背景に、米国の経済先行きと銅需要見通しに対する楽観的な見方が浮上した。また、FRBによる追加金融緩和策との観測から、ドルが押し下げられたことも、ドル建ての銅先物の買い材料となった。26日の銅先物価格はじり高となった。最終的には、COMEX銅先物3月限は前日比4.15セント(1.08%)高の388.75セントで引けた。
FRBは少なくとも2014年終盤まで政策金利を異例の低水準に据え置く方針を表明したため、ドルが売られた一方、他国の通貨を持っている投資筋はドル建ての原油先物に対して割安感が出たことから、26日の欧州時間には原油相場はじりじりと上昇した。だが、米国から発表された最新の雇用データと住宅市場指数が弱い内容となったため、米国の経済先行きへの懸念が誘発され、原油相場は間もなく上げ幅の大部分を吐き出した。米労働省が26日に発表した新規失業保険週間申請件数は37.7万件まで増加したほか、米商務省が発表した12月新築住宅販売件数は30.7万戸となり、市場予想は32.0万戸であった。当日のNYMEX原油先物3月限は前日比0.27ドル(0.27%)高の99.74ドルで引けた。
南米の高温・乾燥した天候が継続しているため、生産高減少への懸念が高まり、大豆先物価格は26日に堅調な展開となった。CBOT大豆先物3月限は前日比9.25セント(0.76%)高の1,222.50セントで引けた。26日、ロシアによる小麦輸出制限との懸念は引き続き米国小麦先物の支援材料となった。CBOT小麦先物3月限は前日比11.75セント(1.84%)高の652.00セントで引けた。
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