ドル下落、超低金利の延長で
【ドル下落、超低金利の延長で】
ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで1カ月ぶり安値に下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が「非常に緩和的な」金融政策を継続するとして、2014年遅くまでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を低水準に据え置く意向を示唆したことに反応した。
FOMCはこれまで、政策金利目標を2013年半ばまで据え置く意向を示していた。米連邦準備制度理事会(FRB)は、FOMCメンバーのFF金利誘導目標に関する予測を25日に初めて公表。これを受けてドルは一時、下げを埋める場面も見られた。メンバー17人中9人は14年末時点まで政策金利が1%未満にとどまると予想。
ユーロはこの日の朝方、主要取引通貨の大半に対して下落。ECBが保有ギリシャ国債の減免受け入れに反対していると伝えられたことが材料。ニュージーランド・ドルは米ドルに対して高値で推移。同国中央銀行が政策金利を2.5%に据え置く決定をしたことが手掛かり。
FOMCの決定で、2014年遅くまでというのは市場の予想をはるかに超える長さで、このためドルに対してネガティブな反応が出た。FOMCは市場に対して低金利が続くと保証し、金利がすぐに上昇することはないと企業に確信させることで景気の底上げを図っている。
FOMCはこの日発表した声明で、「委員会は非常に緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ」としたうえで、「低レベルでの資源活用と中期的には落ち着いたインフレ見通しを含む経済状況が、少なくとも2014年遅くまではFF金利の異例な低水準を正当化する可能性が高いと現在想定している」と述べた。
FOMCがこの日公表したメンバーによる予想では、12年の成長率とインフレ予想も引き下げられた。
バーナンキFRB議長は声明発表後の会見で、一段と大規模な国債購入は依然として「選択肢の一つ」に入っていると述べた。同議長はさらに、インフレが長期にわたり目標を下回り、雇用改善が極度に遅い場合には、追加緩和策の可能性もあり得ることを認めた。
円は主要取引通貨の大半に対して値を下げた。日本の財務省が発表した貿易統計で12月の輸出が前年比8%縮小したことを受け、円売りが進んだ。ブルームバーグがまとめたエコノミスト27人の予想平均は7.4%の縮小だった。
(facebookページ
でもフィードしています)
ご注意事項
1. 当コラムは投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定は、必ず御自身の判断でお願いいたします。
2. 当コラムの内容によって生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いません。