リスク選好志向の上昇がスポット金の買いを誘発
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欧州委員会のオリレーン経済・通貨問題担当委員は23日、ギリシャ政府と民間債権者との債務再編協議が当面順調に進んでいるほか、今週に完了する見通しである、と示した。ギリシャの債務交換協議が合意に至るとの期待感が高まっているため、欧州債務危機をめぐる懸念がやや後退するなか、リスク選好志向の上昇はスポット金の買いを誘発した。また、欧州連合(EU)の諸国政府は23日、イラン産原油・石油製品輸入の新規契約について即時禁止することで合意した。当ニュースは原油価格の大幅高につながり、ヘッジ先として金の魅力が高まったことは、金相場の買い材料となった。最終的には、当日のスポット金は前日比10.4ドル(0.62%)高の1,676.7ドルで終了した。スポット銀はスポット金につられて上伸し、前日比0.22ドル(0.69%)高の32.32ドルで終了した。
中国が21日に発表したデータによると、2011年12月の精錬銅輸入量が史上最高値を記録したことを受け、世界1位の銅消費国である中国による需要見通しに対する楽観的な見方が浮上し、23日の銅先物価格はサポートされて上昇した。加えて、ギリシャ政府と民間債権者との債務再編協議が今週に合意に至るとの期待感から、欧州債務危機への懸念が緩和したことも、銅相場の好材料となった。最終的には、COMEX銅先物3月限は前日比6.80セント(1.82%)高の381.00セントで引けた。
23日の原油先物はプラス圏で取引を終えた。外交官1人は、EUがイラン制裁のリストに22個人と8企業を追加指定した、と明らかにした。EUは23日開催した外相理事会で、イラン産原油禁輸などを含む同国に対する追加制裁措置で合意した。制裁措置には7月1日までの既存契約分を除くイラン産原油の禁輸と5月1日からの石油化学製品の輸入禁止が含まれる。欧州理事会が当措置を通過すると、EUによる対イラン制裁が全面的に発効する。EUの追加制裁がイランの報復的な措置を誘発し、さらに当区域の原油供給中断につながるとの懸念が広がっているため、原油相場は堅調な展開となった。当日のNYMEX原油先物3月限は前日比1.29ドル(1.31%)高の99.60ドルで引けた。
先週末のアルゼンチンの雨量が予想を下回り、南米の高温・乾燥した天候は依然として作物の成長に悪影響を与える見通しであるため、23日の大豆先物価格は大幅に上昇した。CBOT大豆先物3月限は前日比30.00セント(2.53%)大幅高の1,217.25セントで引けた。隣の大豆とトウモロコシ市場の堅調さを手がかりに、23日の小麦先物価格は続伸した。CBOT小麦先物3月限は前日比9.75セント(1.60%)高の618.75セントで引けた。
(1/24 商品レポート から抜粋)
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