米国主要金融機関、第4四半期決算発表シーズン突入~JPモルガンの決算発表から推測! | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

米国主要金融機関、第4四半期決算発表シーズン突入~JPモルガンの決算発表から推測!

 ここ最近、私のコラムは冬の新ドラマの方が相場よりもホットだったためドラマネタ中心でおよそ証券会社のコラムとは言えないテーマばかり取り扱ってきましたが、コーヒーブレイクの週もあっていいのではないかと思います。


さて今週からは先週のアルコアの決算発表を皮切りに本格化した米国主要企業2011年第4四半期決算発表が本格的に始まり、例年、市場は決算内容を見て一喜一憂する事になります。


明日の火曜日から今週末金曜日までで以下の4大金融機関が決算発表を行います。


C シティグループ     2012/1/17(火)
時価総額 89,874.79000
配当利回り 0.1266%

GS ゴールドマンサックス   2012/1/18(水)
時価総額 48,719.30000
配当利回り 1.3833%

BAC バンク・オブ・アメリカ 2012/1/19(木)
時価総額 67,108.23000
配当利回り 0.5891%

MS モルガンスタンレー 2012/1/20(金)
時価総額 32,102.38000
配当利回り 1.1648%



さて、この4社の業績を占う上で、非常に参考になるのは先週末一足早く第4四半期決算を発表したJPモルガンチェースの決算内容は非常に有益なデータを提供するのではないかと思います。結論から述べると、発表された同社の第4四半期決算は投資銀行部門の不景気を反映して厳しい内容でした。


【JPモルガンチェースの会社全体の成績】
EPS   市場予想92¢ 実績90¢
純利益  市場予想35.4億$ 実績37億$


上述の4社を分析する上で重要な、JPモルガンの部門別の成績内容ですが、投資銀行部門に対する事前予想は先週のRBSやバークレイズの投資銀行部門に対する大規模なリストラ策等から見るように経営環境の厳しさを反映して控え目でしたが、発表された決算はそれを更に下回るものでした。


・第4四半期投資銀行フィー 前年同期比-39%の11億$
=通年のグローバル投資銀行フィーでは第1位
・第4四半期債券部門売上高 前年同期比-9%の24.9億$
・第4四半期株式部門売上高 前年同期比-26%の7.79億$

一方で、商業銀行部門のパフォーマンスは比較的堅調だったと思います。

・第4四半期リテール金融部門売上高 前年同期比-17%の64億ドル
・第4四半期リテール金融部門利益 5.3億$(2010年のQ4は黒字の4.6億$)
・預金マージン 2.76%(2010年のQ4は2.96%)


投資銀行部門は非常に厳しい経営環境ゆえに、その影響が決算内容の足を引っ張っているのを比較的堅調な商業銀行部門が微力では有るものの業績の落ち込みをカバーしている、と言った状況だと思います。


今週発表の4社はFRBに登録されている金融カテゴリー上は銀行ですが、シティグループ、バンク・オブ・アメリカは商業銀行が母体であるのに対して、ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーは投資銀行が母体ですので、その点ではシティやバンカメにとっては比較的楽観的な見通しの持てる決算内容になるのではないかと思います。ただ先週の米国株のラリーを見た後ですので、それらの内容はすでに市場に織り込まれていると考えるのが堅実な投資スタンスと言えるでしょう。


逆にゴールドマンとモルスタの投資銀行部門の決算内容が予想外に良かった場合は、伝統的に直接金融主体のアメリカ金融市場に復活の兆し、特に投資家のリスクに対する姿勢が改善し、各種金融市場に流動性が戻ってくるものと考え、ラリーが始まる前に市場に攻勢をかけるチャンスが到来するものと考えられます。そう言った視点では今週末のこれらの企業の決算内容、一株当たりの利益率を示すEPS等はもちろんの事、その後に発表されるカンファレンスコールでの各部門等の数値や通期見通し塔は非常に注目したいところです。


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