中国、ドラマ中のCM禁止
中国国家ラジオ映画テレビ総局(広電総局)は29日までに、テレビドラマ放映中の
コマーシャル(CM)を禁止する新たな規定を策定し、来年1月1日から実施すると発
表しました。
規定によると、2012年1月1日から、テレビドラマ放映時に、ドラマ一話分(45分間)
の放映中に、いかなる形によってもコマーシャルを挿入することが禁止される。広電
総局はまた、各ラジオ・テレビ・映画行政部門に対し、各テレビ局の実施状況を全面
的に監督するよう求め、テレビドラマ放映中にCMを挿入しているテレビ局は、関連
規定にもとづき厳重に処分する構えを見せています。
同総局はこれまでも段階的に、テレビドラマ放映中のCM枠を縮小しました。ゴー
ルデン時間以外のドラマ(1編45分)は2回1分30秒以内のCMが挿入できます。
ゴールデン時間帯(19:00~21:00)のドラマは1編一回1分以内のCMの放送が認
められます。2010年中国各テレビ局のCM収入は約700億人民元、その半分はド
ラマCMが占めていました。メディアグループ幹部は今回の措置は「テレビの視聴率
を高め、テレビ局の価値を高めるものだ」、と指摘しました。
この禁止令が二つの業界に大きなメリットがあるとジャナーリストが分析した。一つ
はウェブ動画をメインにした新しいメディア業界、テレビCM時間の減少に伴って、企
業の広告が伝統的なテレビ局からウェブ動画へシフトの動きがこれらの業界の収益
プラスへつながると予想されます。二つ目は、テレビドラマの制作会社にも有利なこ
とです。CMがなくなったことで、ドラマの視聴率を高める可能性が大きい。テレビ局
がより一層ドラマの質を重視し、クォリティが高いドラマの購買により、ドラマ制作会
社も質の高いドラマの制作に力を入れます。
新しい中国政府系サイト・中国網によると、ネットでのアンケート調査では93%が
CM禁止令を支持した。世論ではこの禁止令は視聴者を満足させるための措置とし
ています。反面、中国政府としては、テレビ局への規制を強化して当局の意に沿っ
たドラマの放映を求め、それをより多くの国民が視聴するよう、CM禁止措置を取っ
たとの見方もある。
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