「美しい上海」が直面する試練
昨日(11月21日)、中国上海で多くの市民たちが今月15日に日本人男性一人を含む58名の死者、負傷者は70
人以上を出した都心の高層マンション火災発生現場で犠牲者に哀悼を捧げた。この1949年建国以来上海で発
生した最も酷い火事の背景複雑そうだ。
まず出火の原因は違法な電気溶接工事だという、発生から鎮火まで5時間以上もかかり、救出作業が難航し
たことについては、消防局の設備不足を指摘する声もある。火災発生直後、約70台の消防車が駆け付けたが、
水が高層に届かない消防車もあった。世界で最も先進、100メートルの高層ビル用の消防車は現場の周りの道
路が狭いすぎるため、使えなかった。次に、当時工事を施工していた上海地元の会社が、現地政府と「ただなら
ぬ関係」にあったとの声もあった。
火災が発生した際、消防局すぐ出動し、消防士が住民を救出のためにビルに乗り込んだが、防盗門(玄関ドア
の前に窃盗を防ぐために設置するセキュリティドア)が牢固すぎて、なかなか開けられない、平均的は一つの防
盗門を開けるのは15~20分もかかったと消防士が語った。今回災害となったビルは中古マンション市場では1平
方メートルは3万人民元(約37.6万円)、火災による損失の合計は5億人民元(約62.8億円)を上る可能性もあると
いう。
閉幕から2週間しか経ってない上海万博のスローガンは「都市が生活をより美しくする」(城市,譲生活更美好)
だった。しかし都市の高度発展に伴い、防災や安全管理面の不備と建築物の高層化に追い付かない消防体制
などもあるようだ。また、上海が「美しい都市」になるためには大火災について検討して対策を練るだけに留まっ
てはならず、今回の悲しい出来事をきっかけに高騰する物価や労働者の低賃金、医療保険などの福利厚生に
存在する種々の困難を克服していかなければならないとし、「今回の火災は、スローガンは1度の万博で終わる
物ではなく、この先も非常に遠い道のりが待っていることを教えてくれた」と結んだ。
Robin