ゴールドの危険性 | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

ゴールドの危険性

順調に回復しているかに見えた世界経済は二番底の懸念が強くなってきた。ギリシャに次いで、ハンガリーの財務危機はまるでユーロ圏の悪疾となり、外国為替市場だけではなく、各主要国の株式市場も暴落している。このなか、商品通貨といわれる金(ゴールド)は依然として堅調な動きを見せ(6月8日の終値は1236.4ドル/トロイオンス)、金価格に追随する上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールド・トラストの保有残高は、5月単月のみでも10%の増加を示した。リスク回避の資金が流れ込み続けているそうだ。


しかし、本当に現在もなおゴールドを買うことで、リスクを回避できるのだろうか?


金価格はまた上昇を続けるかもしれないが、決してすべての資金を用いてゴールド・バーあるいは金ETFを買うべきではない。理由はとてもシンプルだ。ある程度、黄金は1種の非常にでたらめな投資だ。バフェット曰く:「アフリカとか、そういった地域で地面が掘られ、金鉱石が採掘され、溶かされて金になる。その間、人々はガードを雇って、これらが盗まれないようにする。しかし金にはそれほどの価値はない(It has no utility.)。火星人がいて、火星から地球を見た場合、かれらは頭をかきながら地球人は不思議なことをすると思うに違いない。」


事実はこれだけではない。金の価値は不安定であり、そもそも値段を見積もりにくく、付加価値を創造することができない。次のように想像してみればわかりやすい。大災害が起きた時、ゴールド・バーは、米、缶詰や水より果たして価値があるだろうか。


金価格が1,200ドル/オンスの価格に乗せてもなお次々に買っている投資者がたくさんいるそうだ。もし価格が数年前の水準まで転落したら、500ドルあるいは600ドルだ。その時あなたはどうするだろうか?買い足す?それとも損切り?


過去10年間のゴールド価格は約4.5倍上昇した(2001年1月終値265.6ドル、2010年5月終値1216.0ドル)。理由は、ただ買い手が売り手より多いというだけだ。買い手が長期保有をしていても、いつかは利食いするわけだ。しかし、長期保有と言っても、価格が上昇しなければ投資の意味が無い。実物の金は金利が付かないし、付加価値もない。しかも保管手数料がかかる。10年前の値段で買う理由は十分であるが、現在はどう考えでもリスクのほうが大きいだろう。


目の前の金価格はすでにバブル化の可能性が否定できない。バブルとは、弾けてからようやく認識ができるものだ。最近の価格高騰の理由は実物需要ではなく、欧州財政不安によるリスク回避の動きという側面が強い。いったん金融財政に安定の見通しが立ち、リスクマネーが一斉に逆流し出すと、価格の暴落は避けられない。そう考えると、これから実物の金へ投資しようと考える人は慎重に行動すべきだ。



Robin


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