Googleの中国撤退示唆・混迷する中国検索サイト
インターネット検索世界最大手、米Googleが検閲問題をめぐり、世界最大のインターネット市場である中国から撤退する決意を固めたとの憶測が流れる最中、同社と中国政府との瀬戸際外交は2週目に入った。
1月12日、米Googleは同社ネットワークに対する高度なサイバー攻撃により知的財産権が盗まれたことを受けて、中国からの撤退を検討していることを当社のオフィシャルブログで明らかにした。同社は、中国語版の検索エンジンGoogle.cnでコンテンツをフィルタリングしないという意向を示し、フィルタリングのない検索結果を認めなければ、中国から撤退する方向で中国政府と交渉すると明らかにした。米国務省は15日、近く中国に正式な外交文書を送り、Googleが指摘したサイバー攻撃について懸念を表明することを明らかにした。
中国政府はGoogle撤退の脅威は小さいとし、この問題を解決する方法は多数あると述べている、だが、Googleを含め、国外企業は中国の法律従わなければならないとも主張している。一方、米Googleによる検閲受け入れ拒否が、中国のネット利用者の間で大きな反響を呼んでいる。ネット上の意見の多くは、巨大市場・中国から撤退してでも、検閲を拒否する方針を打ち出した同社への賛辞だった。
米Googleは検閲問題に関し、中国当局と協議する姿勢を見せているが、日程などは未定だ。厳格な情報統制に「ほころび」が生じていることに危機感を強める当局は既に、Google社の方針に呼応して活動家が言論活動を活発化させることを警戒し、監視を強化しているという。今後、Googleのサイトへの接続遮断といった強硬措置に出る恐れも高まっている。
Googleが中国から撤退することは、現在話題となっている日本JALが民事再生になると同様に愕然な話であり、一カ月前には想像もつかないことだった。調査によると、中国の国内検索エンジンはBaiduが約70%、Googleが約30%を占めている(この占有率はGoogleの全世界マーケットの1%も至らない)。Googleの撤退は検閲問題(いわゆる民主発展の障害)を名目をしているが、うしろビジネス的な理由も実際に存在していた。
・検閲問題について、日本にいる皆さんには想像し難いかもしれないが、Googleエンジンを開いて、調べたい言葉(人権、天安門事件とか)を打ち込んで、Enterキー押したら、出てきた画面が”この内容はより敏感ですので、表示できません”との文字がでてきた。これには怒りが出てくるでしょう?!でも中国ではこのようなことは常態だ(もちろん政治あるいは敏感な言葉に限られている)。この検閲の自由度に関して、中国市場その特別の体質(大手メディアは政府によるコントロール)もあって、当局との協議がどこまで妥協できるがまだ未知だが、進展は難しいようだ。
・ビジネスの実績が伸びない原因については、中国のインターネット市場の不公平な競争環境が外資会社に対して、大きな発展障害となっていた。例えば電子書籍を例として、中国国内の"新浪"という情報・通信業者(日本のYahooみたい業者)が開発した大衆に閲覧可能の「資料庫」無料サビースは昔からユーザーが自由にダウンロードできるようになっているが、それについて今まで反対な声が全然なかった。知的な財産権は完全に無視されていたようだが、Googleの電子書籍計画は立ち上がってから中国作家協会などの団体に反対されて、計画の進行は難航のようだ。
もし中国のインターネット業界からGoogleが去れば、ビジネスの面でも、民主進展を推進の面でも無論大失敗になるだろう。中国の事業者に対してもマイナス面ばかりである。なぜかというと、健全な市場の発展というのはは、必ず皆が競争しながら、成長していく過程であるからだ。競争者(特に強い企業)がいなくなれば、一時的に残った企業にとっては喜ばしいかもしれないが、長期的に見れば、先進な技術と影響力を持つリーダー企業が去った市場の未来があるかどうかは疑問である。
Robin