わが国は災害が多い。

 

近年は「激甚」もかなりの頻度に上る。

 

たとえ水害であっても,人が暮らしていくには「水」が欠かせない。飲み水を欠乏させることは文字どおり命にかかわってくる。

 

長大な海岸線を有する国土では港湾沿いに開けた人口密集地帯もまた多い。満々と海水を湛える海から取水し,迅速に被災地へ飲用可能な水を輸送できたら素晴らしい。

 

砂漠等,取水源に乏しい国土のイスラエルには,各国軍から引っ張りだこの海水淡水化装置車がある。

 

 

河川等からも取水可能だが,機動性に富み,災害や戦争といった有事に大活躍できる。

 

これは,年々激しさを増す地球上の「水資源争奪戦」に対しても非常に有効な備えだ。

 

また,衛生維持面と被災者の心理面からも,避難場所での入浴が必要となるが現状は自衛隊需品科の入浴セットでの支援に依存している。

 

かつて,日本社会党というマルクスシーラカンスと自民党が野合した頃から,それまでは極左暴力集団かぶれの学生ぐらいしか口にしなかったように思われる「自衛隊を無くして災害派遣隊にすりゃあいいんだ!」的な戯言に淵源するような,記者クラブマスコミによる「災害派遣時の自衛隊クローズアップ」が始まった。

 

どれほどの災害派遣が行われていても,たとえ隊員の殉職者が出ても,ひたすら消防と警察のみしか映さず,私のような自衛官の子供に非常に悔しい思いを強いていたあの下劣であさましい連中が,掌返してやたらと隊員を映すようになった。

 

防衛省も防衛省で,溢れるダニ官根性を遺憾なく発揮し,まるで自衛隊は災害派遣のために存在するかの如き報道姿勢に媚びるかのように,募集の呼びかけツールへ忠実にそのカラーを取り入れてもう久しい。

 

悪意を隠した「嬉しがらせ」に恥知らずにも便乗してどうするのか?

 

もちろん災害派遣は自衛隊の任務の一つではある。

 

ほとんどの国民からの温かい励ましと感謝は本当に隊員の力になっていると思う。

 

がしかし,自衛隊の本来任務はあくまで自衛のための正当性ある戦争遂行による日本国の防衛にある。

 

であるから,給水にせよ入浴にせよ,平時から自治体への指導訓練を自衛隊が実施し,国は必要な設備機材を自治体に与え,

 

自治体職員とボランティア登録者等の練度を向上維持させ,若干の指導者支援のみとして災害派遣に割かれる隊員と装備の極小化を図るべきだ。

 

もちろん,自治体の特性に応じて,船舶用等の現用民生品(淡水化装置)も併せ装備するのは言うまでもない。

 

大規模な部隊が災害派遣に取られている間も,24時間365日,切れ目なく自衛戦争に即応できる態勢を維持しなくてはならない。

 

本来の務めはそこにあるという断固たる姿勢と強固な責任感が政府に皆無だからこういうことになる。

 

確か,東北の大惨事の際に,足を滑らせてでもなんでもいいからヘリから原子炉に滑り落ちてくれれば本当にお国のためだったボケナス総理が言ったと記憶するが,

 

 

汚染の疑いがあるカイワレ大根を「じゃあ自衛隊に食わせておけばいい」などと抜かすような能無し政府と,

 

職責の自覚と第一線隊員への愛情があるのかないのか,思うは保身と天下り,退官後の「電波芸者での小遣い稼ぎ」のみなのか,

 

こういった政府の心得違いと無責任と,自衛隊への侮辱へ満足な抗議も怒りも見せない「将官の如きもの」達とが相まって,国防態勢への大穴が開けられることが繰り返されている。

 

自己完結した組織が一糸乱れぬ統制下で被災地へ投入される有効性は承知しているが,まず国防といった重要な観点から戦力を温存しておくために,大規模災害への対処は可能な限り自衛隊以外でなされることが必要だ。

 

それでなくとも,少子高齢化により第一線部隊の戦闘力は落ちている,弾薬備蓄も相変わらず足りない。

 

本来は若年隊員の「役どころ」である任務に,もはや中年の域に達したベテラン隊員が当たらなければならないお寒い現状をなぜ記者クラブ・メディアはお茶の間に届けない?

 

例えば,激しい各個動作が求められる機関銃手に,いつまでも中年隊員を充てておく現状をお茶の間が知るようになぜ伝えない?

 

切実な実態を知れば,これではいけないと気づいてくれる国民は多いはずだ。

 

軍オタの視聴者を当てにしているようなタレントに,なぜ毎度毎度の「自衛隊礼賛」を繰り返させている?

 

ボンクラ大臣,副大臣のパフォーマンスばかりの無能さに耳目を引き付けているようでは,自衛隊弱体化を維持進化させよとの「命令」でも敵国群から受けているのかと疑う。

 

大東亜戦争時,できないことを知りつつ「できる!勝てる!無敵だ!」と強弁した軍部と,その根拠なき鼻息が荒い軍部すら呆れた「過激なマスコミの煽り行為」によって奈落の敗戦に追いやられたのと同じ過ちがまた繰り返されているように見えてならない。

 

これらの災害即応態勢構築への制度設計と実施により,地域での「自衛隊式組織運営の浸透」が図れる。それはやがて,スイス式の国民皆兵制度と武装中立への布石ともなろう。

 

スパイ防止法や憲法破棄,何よりも独立自尊を奪還する価値観を持たせる教育改善といった諸課題と深く関連するが,

 

勝手知ったる我らが領内を可能な限り自らの手で守り抜く意識を涵養し,併せ自衛隊の本来任務である国防へ部隊主力を専心向かわせるためにも,制度設計提案を有志各級議員に期待するところ大である。

われら ここに励みて 国安らかなり