24節気では今日から啓蟄(けいちつ)に入ります。そして、72候でも、啓蟄の初候は、蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)ですから、両者とも同じ時節を表現しています。寒い冬の間、土の中でじっと巣ごもりしていた虫たちが戸を開けて地上に現れる時節であるということです。この場合、虫というのは昆虫などではなく、冬に冬眠するカエルやヘビなどがイメージされています。

 

春の農事が始まる頃になると、それと歩調を合わせるように、カエルが活動を始めるようになります。そして、カエルが活動を始めると、それを餌とするヘビも活動を始めるのです。ヘビは、ナビのような小さい犬にとっては用心しなければならない動物の一つです。

 

友人が飼っている愛犬が2年ほど前、マムシに咬まれました。3月12日のことでした。まさに、啓蟄の時節に起きた出来事でした。まだ3月で肌寒いこの時期にすでにマムシが動き出していたということです。24節気も、72候も、1年間の自然の変化の目安となる現象を、24、あるいは72に区切って表現しているのですが、マムシ事件に出会って、馬鹿にするものじゃないなあと感じました。

友人が飼っている犬はトイ・プードルで、わが家のナビと同じ犬種です。しかも、同じブリーダに育てられた犬で、ナビが、日ごろからとても仲良くしている犬です。名前をリリィといいます。