イチロー選手のチームメートでマイアミ・マーリンズ不動のエース、ホセ・フェルナンデス投手が不慮の事故で急逝しました。
2016年9月26日未明、フェルナンデス投手と友人男性2人を乗せたボートがフルスピードでマイアミビーチ付近の岩礁に衝突。3人全員の死亡が確認されました。現地で最初にこのニュースが報じられた時は誤報騒動が出るほどの突然の死に米国球界のみならず各地が悲しみに包まれました。
キューバのサンタクララ出身。セントルイス・カージナルスのアレドミス・ディアスと同じ少年野球チームで野球に没頭しました。アメリカ亡命に3度失敗し刑務所に収監されたこともありますが、15歳の時、4度目の逃亡でアメリカ亡命を果たしました。
2011年のMLBドラフトでマーリンズに1巡目（全体14位）で指名され入団。2013年4月7日ニューヨーク・メッツ戦でメジャーデビュー。このシーズンは12勝6敗で新人王獲得しマーリンズのエース級として活躍しました。
2014～2015年シーズンは肘の手術の影響もあり、10試合前後の登板でしたが、今シーズンは開幕からエースとして奮闘し、16勝を挙げていました。平均153キロ（最速161キロ）の速球を武器にメジャー4シーズン通算38勝17敗、589奪三振、防御率2.58という輝かしい成績を残しての急逝。
衝撃の訃報を受けたマーリンズは本拠地で記者会見を開き、出席したサムソン球団社長、ヒル強化担当責任者、マッティングリー監督、選手たちは、まだ事故を現実のものと捉えきれない様子で、悲しみの涙に暮れたままでした。チームの主将的存在でもあるプラドは「自分自身にとっても、みんなにとっても辛すぎる」と絶句。悲しみを背負ったまま試合をできるか問われると「答えるのが難しい質問。俺たちはロボットじゃない。俺たちは人間だから。感情があるんだ。彼（フェルナンデス）はこのチーム全員1人1人に違った形でインパクトを残した。試合をしなくちゃいけない、プロであるべきだと分かっているが…。でも、心の奥底には、たまらない痛みがある。どこかで乗り越えなければならない。でも、今は答えるのが難しいよ」と声を振り絞りました。
マーリンズはフェルナンデス投手の背番号16番を永久欠番にすることを決定。メジャーリーグの至宝の早すぎる死に言葉も見つかりませんが、その笑顔を永遠に心に刻み、安らかな旅立ちを願っています。
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