2005年に空港でたまたま
友達を介して出会い
あなたからの強烈な一目惚れで始まった物語

石のように固まった、って言ってたね
ただただ棒立ちになって凝視してくるから、
顔になんか付いてるのかなって本気で思ったよ。

そこから全て、長い長い物語が始まったんだ

一度はあなたの熱意に負け付き合ったけど、
結局はNZでも遠距離になるからと別れたね

あなたはそこで、初めて恋で泣いたと言った

NZに戻ってすぐ、あなたの誕生日に欲しいもの聞いたら
私にvodafoneを買って欲しいと言ったんだってね

すっかり忘れてしまってたけど、
そこからまた頻繁に連絡を取るようになり
また付き合い始めたんだったね

そこからは上がったら下がったり
何度も何度もあなたに泣かせられたけど
何故か大好きで大好きで仕方なかったんだ

ママは13年後にこう言うんだ
人を好きになるのに時間や会った回数は関係ないんだと。

何年経っても分かり合えない人達がいる一方で
一瞬で分かり合える人もいるんだと。

次の年、私はアメリカへ
あなたはオーストリアへ進学が決まってたね

あなたは何度も何度もオーストリアに来て欲しいと言ったけど
私は聞かなかった

憧れのアメリカに行きたかったのと、
オーストリアまで追いかけて行って、
また振られるのが怖かったんだ

でも、今思えば行けばよかった

結局アメリカの大学を卒業出来なかったし
とても楽しい大学生活とは言えなかった

だから、どれだけ傷ついたって、
あなたを追いかけて
大嫌いになってさっぱり忘れるか
ずっと大好きで今でも一緒にいられたら
どれだけ後の人生が楽だったか。

でもあの頃の私を責めることは出来ない。

結果は終わって初めて分かるものだから。


それでもやっぱり会いたくて
冬休みに無理矢理会いに行ったね

パパに殴られて、顔を塗ってまで行きました

本当に楽しかった

あなたは言ったね
私があなたの母国にいるなんて夢みたいだと

顔を"babo"て書いた大きな紙で隠しながら
サプライズ登場した光景は
忘れられません

楽しい時間が過ぎる中で
未来のことも話したね

オーストリアとアメリカ、日本と韓国では、
到底続けられないと。

お別れの場所となった2階建のカフェで
時間が迫る中あなたはタバコを吸い続けたの
覚えていますか

最後のハグをして、あなたは足早に去ったね

その後ろ姿を見て、友達の胸に泣き崩れました。

泣き崩れると言う言葉が体現されるものなんだと
知りました。

泣き崩れる中で一階が一瞬見えて
あなたがこちらを見上げたのを見ました

それが、私が見るあなたの最後の姿だと思っていました。

こんなに苦しいことが、世の中にあるのかと。

なんで出逢ってしまったのかと。

でも、泣き終えた後に思うのは
あなたに会えて本当に良かったと
そんな思いでした