話をしている時、何とはなしに「いいんじゃない」と言う人がいる。これは、男性と女性の会話の中でよく出てくるフレーズで、特に男性が言う「いいんじゃない」という言葉は、時として女性の怒りを買うことがある。話を聞いていないわけでないし、否定もしていないのに、良い受け答えとはされない。なぜだろうか。

典型的なケースは、ショッピングだ。選んだ服を見せて、「これ、どうかな?」と聞いた時に出る「いいんじゃない。」という返事。せっかくウキウキした気分での試着も、この一言で萎えてしまう。更に、男性はついでのようにこう言う。

「え、買わないの?」

 

続いて、ケーキ屋さんにて。ダイエット中だけど甘いものが食べたくて、とっておきのケーキをひとつだけ選んでいる時。「迷うなー、これもおいしそうだよね。」と話しかけた時の、お決まりの一言。

「いいんじゃない。」

もう、どのケーキでもいいような気になるから不思議である。その上、せっかく食べるている時に余計なことを言う。

「結局タルトにしたんだ。一番カロリー高いやつじゃん。」

女性は、ある意味で勝手だ。例え、男性が「そっちの色は?」とか「このケーキ、季節限定だって。今しか食べられないよ。」と助言したところで、「そうかなぁ・・・?でも・・・。」と、納得しないことが多い。

結局のところ、女性が欲しいのは『賛同』『共感』なのだ。

男性の言う「いいんじゃない」という言葉には、こんな意味がある。

『あなたの好きな方でいいんじゃない。』

それを、女性はこう解釈する。

『どっちでもいいんじゃない。』

 

会話は、言葉が足りなくても、多くても、行き違いを招くことがある。相手がその時どんな気持ちでいるのかをくみ取りながら、やさしくて平穏な会話を交わしたいものだ。