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ゲレンデの恋人たちの物語を描いたテレビCMを長く放送し続けてきた、スポーツ用品販売大手のアルペン(本社・名古屋市)が、アルペングループのCMにタレントの加藤晴彦さん(40)を起用し続けて今年20年を迎える。多くの人の記憶に残るCMの背景に迫った。
【写真】加藤晴彦さんを起用し、1996年に放送されたアルペングループのCM=東映CM提供
■ゲレンデの恋人から父親役に
「♪急上昇 熱いハート とけるほど恋したい」
ハイトーンボイスで若者の恋心を歌った広瀬香美さんの楽曲に乗せて、ゲレンデを主な舞台に男女の恋を描き続けてきたおなじみのCM。主人公を務める加藤晴彦さん=名古屋市出身=が起用されたのは1996~97年シーズンのことだ。
それまで同社は真木蔵人さんや田中律子さんらを起用してのCMを93年から放送。加藤さんは、95年に同社が制作した映画「ゲレンデがとけるほど恋したい。」(配給・東宝)の関係者の目にとまり、「若者の共感を得られそうだ」と抜擢(ばってき)された。「他企業のカラーも付いておらず、元気でフレッシュなイメージがぴったりだった」と、起用当初から制作に関わる同社宣伝グループチーフの吉村仁さんは振り返る。
加藤さんが出演したCMは、ゴールデンタイムを主に、20年間で50話以上が放送された。吉村さんは「はじめから長期契約をしていたわけではなかったが、いつしか加藤さんありきで制作が進み、気付けば20年経っていた」と明かす。
時が経ち、加藤さんも年を重ねた。冬のラブストーリーの主人公となってきた役柄は今季、ついに「父親」になった。ゲレンデで転ぶ幼い娘に、父親役の加藤さんが優しいまなざしを向けて手を差し出す、という設定だ。
同社によると、若者のゲレンデ離れは続くものの、ブーム全盛期にウィンタースポーツを楽しんだ人らが、徐々に戻りつつあるという。「加藤さんの世代はコアなターゲットでもある。若い人にも訴えかけつつ、子どもを連れてもう一度戻ってきてほしいというメッセージも発信したかった」と吉村さん。
20年の時を経て、加藤さんは同社の「顔」になった。吉村さんは「CMで加藤さんを見ると『冬だな』『アルペンだな』と思ってもらえるまでになった。男性の若いタレントが生き残るのが難しい世界で、うちの顔として期待に応え続けてくれた」と話している。
朝日新聞社
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