ハーレム形成へ
雄は8月下旬~11月下旬ごろに発情期を迎えて気性が荒くなり、気に入った雌をハーレムに入れようと必死に追いかける。ところが、雌の方は“タイプ”の雄でないと逃げ去ってしまう。
ここでアピールポイントになるのが角だ。もてるタイプは角が立派で体格がよく、筋肉が発達して首も太い雄だ。そんな“ハンサム”な雄は、多い場合20頭ほどの雌を集めてハーレムを形成する。
雄は立派な角を維持するため、常に木などにこすりつけて磨きをかけ、他の雄に縄張りを荒らされないよう、角を突き合わせて闘うこともある。
職員と知恵比べ
そんな雄のシンボルの角も、奈良公園では「人との共生」のため切り落とされる運命にある。毎年秋になると、愛護会の職員たちが奈良公園をパトロール。ドングリなどの飼料をまいて雄をおびき寄せ、麻酔をして捕獲する。
しかし、角は雌を引きつけるシンボルだけに、雄たちは切り落とされるのを避けようと必死に抵抗する。雄の側も角を切り落とされることに気付いており、職員と鹿との間で知恵比べも繰り広げられる。
職員の服装や車を覚えている勘のいい雄は、職員が近づこうとすると、たちまち全速力で逃げる。しかし、鹿は本来、舌で体温調節し、長く走り続けるのが苦手で、結局は捕まってしまうのだが…。
角を切られても…
職員に捕獲され、立派な角を切り落とされた雄は、心持ちしょんぼりした様子を見せる。それでも、雌を引きつける努力は続ける,ジプシエール。角をなくした代わりに、“香水”として泥や自分の尿を体に塗り、アピールするのだ。
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