はあ、一週間が終わった…!

 土日お休みだー嬉しい。

 一週間頑張った自分へのご褒美に、セブンでデザート買ってきた。美味しかったです^^*


 今日はがっつりいきます。


 尾崎かおり 『メテオ・メトセラ』 新書館 1~9巻(以下続刊)


 一部作品からの引用がありますので、未読の方で気になる方はご注意ください。



 本当に、この作家さんが好きです。
 生皮を剥いだ様などうしようもない痛みを、無駄な脚色無しにこれでもかと突きつけてくる。小手先では辿り着けない世界があると、身に染みて感じます。

 どれだけ肉体を損なっても死ぬことのできないメトセラ(長寿者)・レインを巡る物語。涯てしない時を生きるにんげんを描くことを通して、ひとの生きる意味、ひとを信じ、愛するということの意味を、きっと作者自身模索しながら描いているのだと思います。

 まるで、よく研がれたキラキラのナイフで、ザクザクと心に切り込まれるような台詞たち。


 『君といると 苦しい さみしいって何か 思い出しそうになるから』(作中より)


 搾り出されるような言葉の数々は、ほんとうにシンプルなものばかりで、でも、だからこそ、心の奥底までストっと入ってくる。

 永い永い時を渡り歩いて、感情ばかりが磨耗して擦り切れて、寄り添う人もなく、どれだけ刺されて切られて撃たれて轢かれてもそれでも死ねなくて。それでも笑顔を失わないレイン。

 『レイン 人間の一生は おまえが思うように 意味のある物語ではないんだよ』

 魂のメトセラである、ユカは、本当に、見ているだけでとてもつらい。


 どんな苦しみも、様々なかたちで「終わり」があるからこそ、耐えられるし、救いがある。


 けれどユカは、どれだけ死んでも、死ねない。永遠に終わらない意識。大事なものも、大事な人も、ただ、通り過ぎていくだけ。

 何度も何度もそれを繰り返すうちにきっと、彼にとって世界は価値を喪ってしまったのでしょう。

 なにも感じない、虚無の平地。

 生きていることに疲弊しきって、終わりを望むユカの姿は、私のこころの弱い部分をとても揺さぶります。


 『もう耐えられない…… 生きていたくない…… 生きていたくない……!!』


 悲しくて悲しくて、泣きました。


 それでもユカは、レインに希望を見出した。祈りを託した。


 どうしようもない諦めと疲労と倦怠をいっぱいに孕みながら、それでも歯を食い縛って歩き続けるひとびとの姿は、とても切ない。


 どれだけ裏切られたらひとを信じられなくなるのか。どれだけ傷つけられたらひとを愛せなくなるのか。どれだけ疲れたら世界を壊したくなるのか。


 『それでも俺は、人が好きだよ』


 私は、この台詞が一等好きです。

 裏切りは確かに私たちを不信に陥らせ、外傷は私たちを臆病にし、疲労は私たちを自棄にさせ、それらは確かに許容しがたい出来事で、そうなるに値する出来事ではあるけれども、それでも信じられる、それでも愛せる、それでも生きる。

 ひとのこころに「限界」などないのだと、そのひとつの可能性を切実に願い信じる、底知れない祈りと希望を秘めた物語だと思っています。

 どうか、ユカに安息を。


 ただただ今は、それを祈りながら、物語の続きを待っています。
 


 世界は優しいばかりではなくて。私も多くの痛みを経験して、「ああ、にんげんって……」とうなだれることもあったけど、それでも私も、ひとが好きです。

 それは、好きだと思える人たちが、周りにいてくれたから。

 そして、どれだけつらいことがあっても、それでも、素敵だと思えることが、ちゃんとあったから。その、素敵だと思えることは、ひとがつくりだしたものだったから。


 とてもこころ動かされる作品たちに、たくさん救われてきました。


 この作品も、そのひとつです。


 ひとの手によって、すごく悲しいこともたくさん世界では起こっているけれども。

 それでも、こんなにすごいものを創っているのも、また同じひとの手。


 だから私は、ひとが好きです。


 ひとの、創造力が好きです。



 どれだけしんどくても、苦しくて喘いでも、歯を食い縛って泣いても、疲れて一歩も踏み出せなくても。それでも生きる。どこまでも、歩き続けるよ。


 そう、私に、切ない勇気と覚悟をくれる、本当に大事な作品です。


 だいすきです。