共産主義旧ソ連の『チャイルド44 森に消えた子供たち』 | ブロッコリーな日々

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共産主義ソ連の『チャイルド44 森に消えた子供たち』

---犯人「チカチーロ」の許せぬ犯罪

2015年製作/アメリカ映画

監督はダニエル・エスピノーサ

 

1950年代、スターリン体制下のソ連を舞台に、子どもを狙った連続殺人事件が発生した。

事件の行く末を、リドリー・スコット製作、トム・ハーディ&ゲイリー・オールドマンの共演で描く。

 

1953年、ソ連で9歳から14歳の子どもたちが全裸で胃を摘出され、溺死した変死体として発見される。

だが、犯罪なき理想国家を掲げるスターリン政権は、殺人事件は国家の理念に反することから、事故として処理してしまうのだ。

秘密警察の捜査官レオは、第二次世界大戦の英雄である。

戦後は国家保安省で反体制活動を取り締まるエリート捜査官に出世した。

彼は、親友アレキサンダーの息子の死をきっかけに、自らが秘密警察に追われる立場になりながらも事件の解明のため捜査を開始する。

 

現場は川はないのに死因は溺死。しかも全裸で臓器は抜かれていた。

事件性があるのは明白だったが、“殺人は国家が掲げる思想に反する”という理由で事故として処理される。

 

ロシアでは「史実をゆがめている」として上映中止になったという。

基本的にスターリン時代とロシアは変わりはないのだろう。

 

どう考えても胃まで取られて溺死はないだろう。

暗黒時代ソビエト連邦の実態が、なんとなく分かる気がしてくる。

 

私は、映画に求められる使命の一つがこのような猟奇事件の社会学的解明にあると思う。

見逃した人には激しくおススメする。

「ウクライナ戦争」とロシアでは誰も呼ばない。今も昔も何一つ変わっていない。