「戦いいまだ終わらず」ある再建王の生涯 | ブロッコリーな日々

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アイドルマート下花店店長の落書き

国際的ジャーナリストの落合信彦の書いた小説である。

物語の圧倒的な魅力に吸い込まれ、我を忘れて読んだものだ。

この中には、円高円安のメカニズムが分かりやすく説明されている。実は、物語の主人公にはモデルがいた。

再建王の異名を取った来島ドックの「坪内寿夫」である。彼は、円高ショックに直面したのである。それが後世にまで伝えられる「ニクソン・ショック」と呼ばれるものだ。その前に「坪内寿夫」を紹介しておく。

 

坪内寿夫(1914年9月4日 - 1999年12月28日)は、愛媛県伊予郡松前町生まれの日本の実業家である。

倒産寸前の企業を数多く再建させた手腕から、一時はマスコミによって「再建王」、また船舶・造船・ドック会社を多数抱えたことから「船舶王」、四国を中心としたグループ形態から「四国の大将」とも称された。

 

そして、小説の中で描かれるのが「ニクソン・ショック」なのである。

造船業は、輸出産業である。決済は当然米ドルで行う。1970年代前半まで1ドルは360円に固定された固定相場制であった。しかし、米国はベトナム戦争で深みにはまっていた。戦争継続のために米ドル札を印刷しすぎて、金本位制の維持が出来なくなっていたのである。

 

リチャード・ニクソンが取った政策が金本位制の廃止である。この時点では、まだ1ドル360円を保っていたが、もう円相場がいつ崩れても可笑しくはなかった。当時、日本の産業界では「青天の霹靂」で、およそ90%の産業は息も絶え絶えになってしまった。

 

ところが、「坪内寿夫」の来島ドックだけは、1年前から金本位制の廃止を察知し、その対策を練っていたという。

彼が「四国の大将」とも慕われる要因でもあった。

 

この頃から、国際的な為替変動に興味を持っていれば、あなたはFXが解禁になったときに、大儲けをしたはずなのに、

何一つ勉強してこなかった。だからあなたの金融リテラシーは低いままだ。やれやれ。