JR福山駅前に設置されている「五浦釣人(いづら・ちょうじん)像」
「平櫛田中」の代表作品である。
昭和50年に山陽新幹線開通を記念して福山駅前に建てられた五浦釣人像である
福山市の名誉市民である平櫛田中の作。平櫛が師事した岡倉天心がモデルとなっている。
題名に出てくる五浦は岡倉天心がほぼ晩年を過ごした茨城県の場所で建物も近年まで存在していたが、東日本大震災の津波で消滅したという。
このブロンズ像は、一部が壊されたが、その後修復され、新しい竹製の釣りざお(約4メートル)が取り付けられた。
壊した岡山県笠岡市の少年(当時18歳)が弁償した。
平櫛田中は、90歳で文化勲章を受章し、なんと98歳でアトリエを新築したそうだ。
さらに100歳を迎えた時に直径2㍍のクスノキ材3本を600万円で買い込んでいる。
しかも、それは30年分もの彫刻材料であった。
つまり平櫛は130歳まで続ける予定であったという。
彼が他界したのは107歳であった。そして、その日まで作品を製作していたのだ。
ここで、平櫛田中の言葉を紹介しておきたい。
「60,70は鼻たれ小僧。
男盛りは100から。
わしもこれから、いまやらねばいつやる」
男たるものこの気概で生きて行きたいものである。