水俣市、「制作者の意図が不明で後援はできない」と回答 | ブロッコリーな日々

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アイドルマート下花店店長の落書き

水俣市、「制作者の意図が不明で後援はできない」

映画「MINAMATA―ミナマタ―」は、人気俳優のジョニー・デップが演じた問題作品だ。

 

本作品では、水俣病を世界に伝えた米国人写真家「のユージン・スミス(1918~78)」を演じている。

 

地元有志らが熊本県水俣市で8月に開く上映会の後援を、水俣市が拒否していた。

当局は「映画の内容が不明」などと理由を付けている。

 

映画は、スミスと元妻アイリーン・美緒子・スミスさん(71)による写真集「MINAMATA」に基づく物語である。

2人は患者や家族が原因企業チッソを初めて訴えた水俣病第1次訴訟で、判決が出た73年の前後3年間水俣市の水俣病患者が多発した地域で暮らした。

 

そして、胎児性患者の上村智子さん(77年に21歳で死去)や坂本しのぶさん(64)らを撮影し、映画は実在の患者の映像も使用。デップのほか真田広之、國村隼、浅野忠信、加瀬亮、岩瀬晶子らが脇を固めている。

 

9月の全国公開を前に、地元有志による実行委員会が8月に上映会を開くことを計画していた。

そのため6月に市に名義後援を申請したが、後援できないとの回答があったという。

 

この件について、水俣市は取材に、映画が史実に即しているかや制作者の意図が不明で、被害者への差別・偏見の解消に資するか判断できない、と説明したという。水俣病を過去のものとして忘れたいという市民もいることを踏まえ、後援が適切か分からないとしている。

 

市立水俣病資料館長を務める上田敬祐・市環境課長は「名義後援はしないということで、上映会自体に反対ではない」と話す。

 

一方の熊本県は上映会の後援を承諾している。県水俣病保健課の担当者は「水俣病が発生した事実が発信されるという意義があり、外国でも上映されるので多くの人に関心を持ってもらい、歴史や教訓を学んでもらうきっかけになる。世界的に発信されることに意義があると考えた」と話しているという。

 

私は、ユージン・スミスが嗚咽しながらシャッターを切ったことを知っている。

この水俣病は、廃液を垂れ流した「チッソ」という会社が加害者であった。日本の代表的な公害である。

私は、詳しくを知らないが、映画の「後援」問題は、水俣市当局の方に軍配が上がると思う。