ロシア人監督の贈り物
作品は、敗戦直前からマッカーサーとの会見を経て人間宣言を決断するまでの昭和天皇の苦悩を描いている
ロシア / イタリア / フランス / スイス Color
初公開日: 2006/08/05 公開情報:スローラーナー
ロシアを代表する映像作家アレクサンドル・ソクーロフ監督が歴史上の人物を描く全4部作のうち、ヒトラーの「モレク神」、レーニンの「牡牛座 レーニンの肖像」に続く作品。
映画は「昭和天皇ヒロヒト」に焦点を当て、敗戦直前からマッカーサーとの会見を経て人間宣言を決断するまでを描き、綿密な考証と想像力を駆使して天皇ヒロヒトのひとりの人間としての孤独と苦悩を見つめる。
主演はイッセー尾形、共演に桃井かおり。
終戦直前・直後の数日間における昭和天皇の苦悩を、一人の人間としての昭和天皇のプライベートがコミカルさ、シリアスさ、そしてペーソスを交えて描写された本作は、ヒトラーを描いた『モレク神』、レーニンを描いた『牡牛座 レーニンの肖像』に続く、アレクサンドル・ソクーロフ監督の20世紀の指導者を描く4部作の3作目にあたる。
ロシアの映画だがセリフは全編日本語と英語である。
2005年ベルリン国際映画祭上映作品。同年第13回サンクトペテルブルク国際映画祭においてグランプリを獲得した。
1945年8月。疎開した皇后や皇太子らとも離れ、地下の待避壕か唯一残った研究所での生活を送る天皇。
敗戦が決定的となる中、御前会議では陸軍大臣が本土決戦の用意あり、と息巻く。
それに対して国民に平和を、と願う天皇は降伏を示唆する。空襲の悪夢にうなされ、皇后と皇太子の写真を優しく見つめる天皇。
やがて、連合国占領軍総司令官ダグラス・マッカーサーとの会見の日がやってくる…
敗戦当時の昭和天皇は、死刑宣告も覚悟されたと云われる。
マッカーサーは、日本人を抑えるためには天皇が必要だと考えていたそうである。
見逃した人には激しくおススメ。