韓国傑作青春映画『野球少女』の爽やかな感動 | ブロッコリーな日々

ブロッコリーな日々

アイドルマート下花店店長の落書き

韓国ドラマ「梨泰院クラス」で注目を集めたイ・ジュヨン主演。

2019年製作/105分/G/韓国
原題:Baseball Girl
配給:ロングライド

 

プロ野球選手を目指す女子高生の奮闘を描いた青春スポーツ映画だ。

豪速球とボールの回転力が強みの女子高生チュ・スインは、高校卒業後はプロ野球選手の道へ進むべく練習に励んでいた。しかし女性というだけで正当な評価をされず、プロテストすら受けられない。

 

さらに、友人や家族からも反対されてしまう。

そんな折、プロ野球選手の夢に破れた新人コーチのチェ・ジンテが赴任してきたことで、彼女の運命は大きく動き出す。

主人公を支えるコーチを「僕の中のあいつ」のイ・ジュニョク、母親を「無垢なる証人」のヨム・ヘランが演じる。

 

イ・ジュヨンが本作で演じるのは、最高球速134Kmを誇る“天才野球少女”チュ・スイン。

彼女は物語のメッセージに説得力を持たせるため、約40日間にわたって独立リーグの選手たちとともに訓練を受け、全ての野球シーンをスタントなしで演じきったという。

 

プロ野球選手を夢見て逆境に立ち向かう青春映画だが、映画大国らしい見事な作りだ。

「梨泰院クラス」で居酒屋タンバムの料理長、トランスジェンダーの女性マ・ヒョニを演じ、「アジアアーティストアワード2020」でアイコン賞を受賞するなど、韓国エンタメ界を率いるスターとして、いま最も旬な女優イ・ジュヨン。

彼女が本作で演じるのは、最高球速134Kmを誇る“天才野球少女”チュ・スイン。
さらに本作には、“第4次韓流ブーム”を盛り上げるキャストが共演、主人公スインを取り巻く人々を個性豊かに演じている。

野球部の新任コーチ役には、「秘密の森」や『神と共に』シリーズのイ・ジュニョク。
自身がプロになれなかった苦い経験から、初めはスインの夢を一蹴するが、夢をあきらめず練習を続ける彼女の姿に次第に心を動かされていく役どころ。

スインの母親には、「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」では強烈な叔母役、「椿の花咲く頃」ではソウル大卒の離婚弁護士を演じ、『82年生まれ、キム・ジヨン』では高校生時代のジヨンを救った女性を演じるなど、幅の広い演技が魅力のヨム・ヘラン。

母から強くあたられながらも、娘の挑戦をやさしく見守る父親役を大ヒットドラマ「ストーブリーグ」や「ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-」『エクストリーム・ジョブ』など話題作に数多く出演しているソン・ヨンギュが熱演。
 
韓国の芸能界にも様々な問題はあるが、素直にこの作品を鑑賞して欲しい。