愛の始まりと終わりを描いた映画は切ない | ブロッコリーな日々

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アイドルマート下花店店長の落書き

2010年の話題をさらったアメリカ映画。

あるカップルの愛の始まりと終わりをリアルに痛切に描き、サンダンス映画祭、カンヌ映画祭などで絶賛された。

仕事が芳しくないディーンと、長年の勉強の末に資格を取り、病院で忙しく働くシンディの夫婦は、娘のフランキーと3人暮らしだ。

2人はお互いに相手に不満を抱えていたが、それを口に出せば平和な日常が崩れてしまうことを恐れていた。
 

夢や希望にあふれていた過去と現在を交錯させ、2人の愛の変遷を描くラブストーリーである。

主演はライアン・ゴズリングと、本作で第83回米アカデミー主演女優賞にノミネートされたミシェル・ウィリアムズ。

 

愛の始まりと終わり、出会いと別れを鮮やかな手法で綴った物語である。

巧みに時間軸を組み替えて、愛を織り成す両側面を並行して描き出している秀作だ。二人の間に流れる特別な空気を濃密に描き出している。

 

結婚はすべてそうだが、出会った頃は新鮮だった愛の形も時の経過とともに形骸化していく。それは誰にも止められない。

映画の中では、苦さも甘さも同時に口にすることで一つの儚い美しさとして受け止めることができる。「絶対の愛」などというものは、作品の中でしか存在しないものだ。人は誰でも夢の中で結婚し、目が覚めて離婚するものだ。

 

2010年米国映画「ブルーバレンタイン」

見逃した人には、激しくおススメ。