実話を題材「ザ・バンク」の深い金融の闇 | ブロッコリーな日々

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アイドルマート下花店店長の落書き

世界中から莫大な資金が集まるヨーロッパを代表する巨大銀行IBBC(International Bank of Business and Credit)。

表向きは集めた資金を事業運営や投資などに運用する世界屈指のメガバンクだが、収益獲得のためには、諜報機関、麻薬ディーラー、マフィア、第三世界諸国の独裁者たちとも手を結ぶ危険な裏の顔も持つ。

 

そんな巨大銀行の闇を暴くため、インターポール(ICPO/国際刑事警察機)の捜査官ルイ・サリンジャー(クライブ・オーウェン)は、ニューヨーク検事局の検事補エレノア・ホイットマン(ナオミ・ワッツ)とともにIBBCの調査に乗り出す。

 

ベルリン、リヨン、ルクセンブルク、ミラノ、ニューヨーク、そして、イスタンブールへ。次々と消されていく同僚、重要証人、証拠に翻弄されながら、サリンジャーたちの追跡は国境を越えていく。

世界屈指のメガバンクの資金は、いったい何処へ流れているのか。

 

核心に近づくたびに断ち切られる、真相解明への糸口。サリンジャーは、強大な権力をまとったメガバンクに、一人で立ち向かう決意をする。

そして真実を暴くため、彼は法の枠さえ越えようとしていた---

 

巨大すぎる権力、重厚すぎるドラマである。
終盤の螺旋状の美術館でのアクションはとても美しいと思う。また、それ以上に深いストーリーがスクリーンに惹きつけてくれる。

 

BCCI事件を題材にした作品だ。なんとCIAと業務提携し、兵器や麻薬の密輸に手を染める「犯罪銀行」であった。別名をザ・バンクと称するのだが、17世紀から大英帝国の金融秩序を守ってきた世界最古の銀行である。

1991年7月2日、イングランド銀行の会議室に10人あまりのスタッフが机を囲んでいた。全員の顔が強張っていた。やがて、営業停止と資産凍結が決定する。

 

BCCIは、全世界で犯罪者の不正資金洗浄も行っていた。そして、同時多発テロが起きるのだが、オサマ・ビンラディンの巨額預金の存在が発覚している。

 

また、100億円以上の被害にあっている日本企業がある。

石川島播磨重工業、日本債券信用銀行、東京商銀組合である。

 

そして、オサマ・ビンラディンとBCCI役員の一人は義理の兄弟であることが判明している。

なんとBCCIは、、ビンラディン、CIA、中東諸国にカネと血縁の見えざる糸を張り巡らせていたのであった。

 

現実は映画よりもなお奇なり。

見逃した人には、激しくおススメ。