愛情で暴走族を黙らせた竹田和平氏 | ブロッコリーな日々

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愛情で暴走族を黙らせた竹田和平氏

竹田和平氏は、「タマゴボーロ」で有名な竹田製菓(現・竹田本社)を創業し、中部日本放送(CBC)をはじめとした104社の上場企業の大株主でもあった。

これは個人が大株主となっている上場企業数で国内一位の数字であった。

また、百尊家宝、株式投資など事業家として活躍しているほか、日本の未来を担う人材育成のため「まろわ講」(「まろわ問答講」)を主宰し、自身の経験や財産を人材投資という形で社会還元していた。株式投資の経験がある人なら、名前ぐらいなら聞いたことがあるだろう。日本のバフェットと称賛された投資家である。

 

竹田さんは、すでに亡くなられているが、まだ竹田和平氏を日本のバフェットと云って崇める人は多い。株式投資の神様バフェットと並び称されているのだ。この竹田さんだが、ボーリング場を経営していたことがあった。その裏手は駐車場になっている。週末になると、この駐車場に暴走族が集まってきた。そして、彼らはバイクの爆音を立て、空き缶などをポイ捨てした。だが、竹田さんは警察に頼ることはしなかった。相手は何をするか分からない暴走族である。それなのに、平気な顔で彼らの中に割って入り、満面の笑顔で「よお、腹減っていないか」と気軽に声を掛けたのだ。普通、できるだろうか。

 

さすがは、日本一の投資家である。「ご馳走してやるよ、オレはここのオーナーなんだ」だが、暴走族は、大人から優しい言葉を掛けられたことはなかった。

そのうち、一人の少年がナイフをひめらかせてきた。「なんだ、オヤジ、あっちへ行け、刺すぞ」竹田さんは、怯むことはなかった。なおも笑顔を浮かべ、「おまえには、オレは刺せないよ。オレはものすごくツイているんだ。オレの話を聞けよ。1時間でいい、時給1,000円出すぞ」と云ったのだ。

 

その日以後、暴走族たちは、もう普通の少年になっていた。彼らは、竹田さんを慕うようになっていた。暴走族になっていた少年たちは、愛情に餓えていたのであった。竹田さんは、そのことを理解していた。真の教育というものが分かっていたのだ。さすがに、日本一の投資家になるような人だ。意識が高い。