アレクサンドル・デュマの代表小説
---モンテクリスト伯を学ぶ
2002年製作/アメリカ・アイルランド合作
原題:The Count of Monte Cristo
配給:東宝東和
監督:ケヴィン・レイノルズ
出演:ジム・カヴィーゼル、ガイ・ピアース、ダグマーラ・ドミンスク
無実の罪で幽閉された男が、復讐のためパリ社交界に乗り込む波瀾万丈の大河ロマン。
19世紀のフランスの文豪、アレクサンドル・デュマの代表小説の映画化。
マルセイユの船員ダンテスが親友モンデーゴの裏切りで、孤島の監獄に。
それから13年後、脱獄に成功したダンテスはモンテ・クリスト伯という別人になりすまし、最愛の婚約者を奪ったモンデーゴに近づいていく。
ほとんどの人は、小説モンテ・クリスト伯(別名:巌窟王)の内容はなんとなく概要くらいしか知らないのではあるまいか。
なにしろ超が付く長編である。
復讐がベースなのでそれだけでも面白いだろうとは思ってたけど、それに加えて裏切り・嫉妬・欲望・財産・出生の秘密などドロドロ劇にはもってこいのエッセンスが詰まってる。そのいわば人のサガが押し寄せるのだ。
とにかく面白い。
全ての展開、人物描写、エンディングに至るまで、映画嫌いでも満足できる作品だ。
映像も壮麗で、1800年代のマルセイユを再現するためにマルタ島で撮影し、地中海風土と歴史がそのまま残ったような、
手付かずな美しさを堪能できる。
短いカットを多用し、周辺人物の人柄も感情もしっかり表現されている。
何より、時代要素が物語をよりリアルにし、釘付けにさせられた。
映画では無理な展開も、不自然さもなく、完璧な調和で面白い。
全体に完成度が高く秀作となっている。
見逃した人には激しくおススメ。