米国先住民"暗号通信兵"の活躍---サイパン島の日米激戦を知る | ブロッコリーな日々

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米国先住民"暗号通信兵"の活躍

---サイパン島の日米激戦を知る

2001年8月公開「ウインド・トーカーズ」

ジョン・ウー監督作品、ニコラスケイジ主演

 

『ウインドトーカーズ』は、1944年、太平洋戦争末期のサイパン島を舞台にした、日本軍とアメリカ海兵隊所属のインディアン・ナバホ族を守ろうと奔走した隊員達を描いた戦争映画である。残念ながら3700万米ドルの損失を出し、興行的には失敗したようだ。

 

「作品のストーリー」

ナバホ族とはアメリカ大陸の先住インディアンである。そのナバホ族の言語を、アメリカ軍は太平洋戦争において暗号として使用することになった。

 

そしてナバホ族の若者ベン・ヤ-ジ-(アダム・ビ-チ)とチャ-リ-・ホワイトホ-ス(ロジャ-・ウィリ-)は、通信兵としてアメリカ海兵隊と共に第一線の激戦地サイパン島に向かう。

暗号通信兵のことをコ-ド・ト-カ-ズという。その任務は偵察隊の一員として戦場の最前線へ赴き、銃弾飛び交う中で、味方にピンポイント砲撃の地点を暗号で知らせることであった。
 

題名のウインドト-カ-ズとはこの通信兵を護衛する兵士のことである。
ニコラス・ケイジ演ずる海兵隊員ジョ-・エンダ-ズの任務は、コ-ド・ト-カ-ズのヤ-ジ-を護衛すること。

そして万一暗号兵が敵(日本軍)に捕虜にされそうになった時は、拷問による暗号解読の危険をとり除くため、その暗号兵を「殺すこと」だ。

しかも何とこれは「実話」であり、ナバホ語を基本とした暗号は最後まで日本軍に解読されなかったという。

とにかくすごい戦闘シ-ンの連続、観るのが疲れるほどだ。
この時期には既に太平洋戦争は後期に入り、日本軍の敗色が次第に濃くなっていた。

 

そして後になって「玉砕」という言葉で表現された日本軍の敗北は、サイパン島の後、硫黄島の悲劇や沖縄の悲劇につながっていく。

 

ジョン・ウ-監督は、サイパン島でのアメリカ軍と日本軍の激闘をコ-ド・ト-カ-ズ(暗号通信兵)を通じて描いた。

ただし、暗号通信そのものには心を動かされるようなドラマ感が希薄で、ただ激しい殺戮シーンが続くので、その意味では失敗作とも云えるだろう。