犯人がついに判明"華城連続殺人"
2003年韓国映画「殺人の追憶」
本作は、第72回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞したポン・ジュノ監督の出世作である。
「華城(ファソン)連続殺人事件」をモチーフにした名作だ。
この事件は、現在の京畿道・華城市で1986年9月から1991年4月にかけて10人の女性が強姦殺害された事件のことである。
被害者は全員、性器に激しい損傷を負ったという共通点があり、その猟奇的で無慈悲な殺害方法が韓国中を震え上がらせていた。
先日、ある事件の容疑者が特定されたという報道に韓国中が驚き、とりわけ映画ファンは驚愕した。
ポン・ジュノ監督作品『殺人の追憶』のモデルとなった華城連続殺人事件の容疑者が、事件発生から実に33年ぶりに特定されたのだ。
犯人は、14~71歳の女性ばかり狙い、そのほとんどが性的暴行の後に殺害され、ストッキングで後ろ手に縛られ、下着で口を塞ぐなど残忍な姿で遺棄されていた。
今回、10件の事件のうち、3件の犯行現場に残っていた犯人のものと思われるDNAを最新手法で解析・照合したことで、別の事件で釜山刑務所に収監中だった56歳の男イ・チュンジェを犯人と特定したのだ。
この男は、1994年に義妹を性的暴行の末殺害し、現在無期懲役の刑を受けているという。
そして11月2日、警察は釜山刑務所で服役中のイ・チュンジェが、華城連続殺人事件を含めて14件の殺人と30件あまりの強姦事件について自白したことを発表した。
当初は、犯行を否定していたが、DNA鑑定が一致したことを伝えられると一転して容疑を認めてこう語った。
「いつかはこんな日がきて自分のやったことが明らかになると思った」
そして何より残念なことは、自白した犯行についてはすべて2006年に時効が成立してしまっている点である。
今後、どれだけの犯罪を彼が自白しても、その罪を問えないのはなんともやりきれない。
ポン・ジュノ監督の出世作、映画「殺人の追憶」
見逃した人には激しくおススメ。。