吉本興業から謹慎処分を受けたお笑いコンビ「スリムクラブ」真栄田賢と内間政成だが、
彼らは、暴力団「稲川会」幹部の誕生会に出席していたという。
テレビ界では、もう「吉本芸人」を怖くて番組に使えない、といった嘆きの声が聞こえるそうだ。
闇営業とは、闇社会から事務所を通さずに個人的に仕事を請け負って、報酬を得ることだ。
吉本では、芸人の薄給が当然で、売れるまでは給料だけでは食べていけない。
昭和の芸能界では、暴力団と芸能は蜜月関係が維持されていたのだ。
まだテレビが普及する前の時代の芸能は、地方興行で成り立っていたので、地元社会の顔利き
への興行挨拶が不可欠とされた。
吉本興業とて例外ではない。それらの悪しき慣習が今に生きているのだ。
経営陣には、所属芸人を闇組織の魔の手から守るという発想がない。
不祥事が発覚しても、それらはすべて、所属芸人の個人的問題とされてきた。
吉本興業の歴史的、体質的、構造的問題として捉えなければ、闇組織との不祥事は何度でも繰り返される。
今回の特殊詐欺集団は、高齢者から何億かのお金を騙し取っている。
そのお金をギャラとして得ているのだから、事態は深刻なのだ。
しかも金銭の報酬について芸人の間で口裏あわせまでしていたという。
彼らの行なうべきことは、まず詐欺被害者への謝罪であった。
それから初めに手にした報酬を寄付することが必要だったと思う。
無期限謹慎処分を言い渡された最初の11人たちは、芸能界復帰は絶望的ではないだろうか。
吉本興業は、今回の不祥事について謝罪文を発表しているが、おそらく改善効果はないだろう。
まず組織へメスを入れることではあるまいか。もう昭和ではない。不祥事を隠すこともできない。
反省だけなら猿でもできるという。すべからく芸能事務所には襟を正してもらいたい。
同様に傘下のNGT48の不祥事に見るマネージメント会社の失敗も同じことが云えるだろう。
もう隠し通すことができないのだ。SNSがここまで普及した世の中である。
もう昭和ではない。従来型の運営では立ち行かないことは明白なのだ。