昭和のヒット曲「みちずれ」は、多くの演歌歌手がカバーしている。
牧村三枝子は、ヒット曲にめぐまれずデビューしたものの不遇をかこっていた。
それが「みちずれ」と出会ってから、人気歌手の仲間入りをはたしたのだ。
ところが--
そのため思わぬ影響が拡がっていくのだ。
なんと、渡哲也の「みちずれ」がじわっと売り上げを伸ばしてきた。
牧村三枝子のおかげと云えた。
その話は、ほどなく本人に伝わる。
すると、渡哲也は、このように関係者に伝えたという。
「オレは、本業は歌手ではない。俳優だ。だからレコードは売れなくても構わんよ。
できるならオレのは出荷を停めて欲しい」
現在でも、カラオケでは、しばしば聴く曲だ。
この話は、店長は知らなかった。
若手やアイドルだとこうもいかない。
大金が動くので、事務所の思惑だけですべてが決まってしまうからだ。
店長は、渡哲也のイメージ通りだと思う。