三島由紀夫の最高文学「金閣寺」を読む
1950年に実際に起きた「金閣寺放火事件」
これを題材に三島由紀夫が容疑者の"人物像"や"犯行動機"に対する自身の見解を基に書き下ろした作品だ。
この事件の犯人の若い学僧は重度の吃音(つまり、どもり)を抱えており、幼い頃からいじめられていた。
その生まれ育った環境から生まれた底知れない苦悩、周囲への拒絶感は、人生に対する"呪いと美"に対する独特な感性を育んでいくのだ。
貧しい寺の子として育った少年は、学僧として鹿苑寺(金閣寺を所有する臨済宗相国寺の寺)に預けられる。
「金閣寺ほど美しいものはない」とたびたび父から聞かされていた。
彼は想像の中でその美しさを膨らませていたが、実際に初めて見た金閣寺にはそれほど美しさを感じられず落胆する。
やがて戦争が激化し、自分も金閣寺もともに空襲で焼けるかもしれないという運命の共通性を感じ、その命の儚さから金閣寺に秘められた悲劇的な美を見出すのだった。
そして、敗戦となり彼は大学に進学する。そこで、足に障害のある同級生の「柏木」と親密になり、障害がもたらす内面の屈折と人生観、そして女性に対して抱く特殊な共有していく。
そうした大学生活を送るうち次第に欠席が増え、当然だが、学僧としての評価も下がっていくのだ。
孤独に沈む彼は、怖ろしい事を考えるようになった。
答えは「金閣寺を燃やす」というものだった。。
ゲームを中断して、たまには最高の文学に触れてみる。
それがあなたの人生をふくよかにしていくのだ。
読んでない人には激しくおススメ!する。