走れメロスに学ぶ(その2)
『真実とは、決して空虚な妄想ではなかった』
--走れメロスより
「走れメロス」は、シラーの詩を題材にして創作された。
本作のテーマが、冒頭の暴君ディオニスのセリフだ。
暴君は、互いに信頼し合っているメロスとセリヌンティウスの姿を見て驚くのだ。
人と人が信頼で固く結ばれている事実が、彼には解せなかったからであった。
では、中学2年生で習ったが、授業をサボっていた優等生にザクっとあらすじを紹介しよう。
「ストーリー」
純朴な羊飼いの青年「メロス」は、妹の結婚式のためにある町を訪れる。
彼は、その町の様子がひどく暗く、どんより落ち込んでいることを不審に思うのだ。
そこで住民に何が起きているのかを質問する。
その住民は、その理由として極度の人間不信から多くの人を処刑している暴君ディオニス王の話をする。
それを聞いたメロスは義憤にかられるのだ。
彼は暴君の暗殺を決意して王城に侵入する。だが、あえなく衛兵に捕らえられ、その王のもとに引き出されることとなる。
当然処刑される事になるのだが、「メロス」は親友の「セリヌンティウス」を人質として王のもとにとどめおくのを条件に、妹の結婚式をとり行なうため3日後の日没までの猶予を王に願う。
「セリヌンティウス」には、いい迷惑だが、彼はメロスを信頼していたのだ。
「メロス」は急いで村に帰り、誰にも真実を言わず妹の結婚式を急ぎ、式を無事に終えると3日目の朝をまだき、王宮に向けて一目散に走り出すのだった。
難なく夕刻までに到着するつもりだったが、度重なる不運に出遭ってしまう。
だが、「メロス」は全力で、度重なる不運にもめげることなく体力の限界まで達するほどに走り続け、
日没直前、今まさに「セリヌンティウス」が磔にされようとするところに到着した。。。
そして--二人の真の友情を見た王は改心した--