佐木隆三 直木賞受賞作「復讐するは我にあり」
凶悪犯に取材して書かれた"犯罪"小説である。
ここには、犯罪の出発から終結までの全てがある。
昭和38年秋、福岡で起こった殺人事件の容疑者は、犯罪史上空前の捜査網をかいくぐり、詐欺と殺人を重ねつつ、広島--静岡--東京--千葉--福島--北海道と逃げ廻った。
78日間の逃避行の末、熊本で10歳の少女に正体を見破られて逮捕され、刑場に消えた。
--文庫本表紙裏解説--
店長は、直木賞を受賞した作品を読む前に、緒形拳主演で映画化された作品を先に観た。
タイトルには、何か奇妙な感じを抱いていたが、これは「新約聖書・ローマ人への手紙12章19節」からの
引用だったことを後で知った。
道理で、なんとなく馴染めないはずだ。
度重なる接見を重ねて犯行に至る心理を追求した
重厚な原作だった。映画、ドラマ化されてどちらも大ヒットした。