年長メンバーが次々卒業して新規のアイドルを育てる。よく練られた手法だ。
だが、何も天才・秋元康のオリジナルではない。
左側、初期のセンター前田敦子
古くはジャニーズ事務所が同様のことを行っている。こちらはグループ名も更新されていた。
本格デビューさせるに当たっては先輩格のバックにつけてダンスを披露させ、徐々に名前の浸透を図っていく。
そのやり方で成功させたのがSMAPであった。このルーツを調べると、「郷ひろみ」に行きつくのだ。
彼は、「ジャニ・タレ」としてデビューした。後にバーニングに移籍するのだが、デビュー時には、フォーリーブスが大先輩だった。
郷ひろみは、初めてのステージで自信がなかった。それを見て、心配になったジャニー喜多川は、一計を案じる。
バック・ダンサーに、内緒でフォーリーブスを配置したのだ。
フォーリーブスの登場は、サプライズであった。彼らがバック・ダンサーを務めると、観客は大喜びした。
観客は、郷ひろみを予想以上に盛り上げてくれる。歌っている彼にも驚きだった。
いつの間にか観客にのせられていた。緊張は吹き飛んでいた。
こうして、ジャニー喜多川の戦術は見事にハマった。新人・郷ひろみにステージ上の自信をつけさせ、
同時に、曲がり角に来ていたフォーリーブスを蘇らせた。
ジャニーズ・タレントを育てる方向性が決定したのだ。
こうして、デビュー前の少年たちを矢継ぎ早に人気グループのバックダンサーにつけた。