前代未聞のやらせリンチ事件が発覚!
テレビ朝日の人気番組「アフタヌーンショー」は、1965年から1985年まで続いたのだ。
ところが--
この人気番組は、
社長が謝罪して打ち切りになったのだ。
この如何なものか、という事件を掘り起こす。
「激写! 中学生番長! セックスリンチ全告白」のタイトルで1985年8月20日に放映された。
だが、このリンチ場面には暴力行為教唆(やらせ)があったとして、テレビ朝日のディレクターを含む5人が逮捕され、報道の問題として注目されたのだ。
同社制作局のディレクター(34)は、少年非行の番組制作にかかわり、取材を進めるうちに知り合った元暴走族のリーダー(30)、(28)に暴力行為を依頼する。そしてあろうことか"やらせリンチ"を撮影することにした。
現場は、東京都福生市の多摩川河川敷である。この地にエキストラとして60人余を集め、乱闘シーンを演じさせたのだ。
ディレクターは「女同士のリンチ場面も欲しいな」と演技指導をつけ、16歳と17歳の2人の少女を教唆、何も知らずにバイトだと思って参加した福生市内の女子中学生5人に殴る蹴るの暴行をさせたのだ。
テレビスタッフはその場面を撮影した。後に被害者少女の母親が自殺する。
ディレクターは取材協力費として元暴走族リーダーに約14万円支払っていた。
この暴行傷害事件を捜査していた警視庁と福生署は少女2人を暴行容疑で、リーダー2人を暴行教唆で、さらに10月16日、ディレクターを同じく暴行教唆の疑いで、それぞれ逮捕している。
テレビ朝日は、ディレクターを懲戒解雇したほか、社長以下重役陣の減俸、第1制作局部長・同局チーフプロデューサーの降格などの処分を行い、「アフタヌーンショー」番組を中止した。
「テレビ朝日」の放送免許更新不許可という最悪の事態は避けられたが、テレビ局のモラルが問題にされた
放送事故であった。