彼女は、青山学院生であった。
当事では珍しい大学生タレントで、キュートな顔立ちが人目を引いたものである。
店長の私は大ファンで、舞台まで観に出かけたほど。
ファンをやめたのは、彼女が”ヌード写真集”を出したからである。
そのエピソードを掘り起こす。
そのヌードこそ彼女の一大勝負であったのだ。
女優としてキャリアを積んでいく上で必要なもの、それは「女子大生アイドル」という世間に拡がっていたイメージからの脱却であった。
この策略は見事に当たった。
刊行直後に映画など出演依頼が増えたのである。
そして演技の幅が広がる。”ヌード写真集”のこれほどの成功例はないといえる。
やがて、川島なお美は妖艶な女優へと成長していった。
昭和が遠去かる---店長の青春時代とともに。
そして---彼女の訃報が報じられた。
「川島なお美さん」安らかに---