1983年6月24日号
写真週刊誌「FOCUS」
ご記憶だろうか。一人の人気アイドルが芸能界から姿を消したのだ。
彼女の名前は「高部知子」15歳。(1967年8月25日生まれ)
「欽ちゃんのどこまでやるの」の出身、「わらべ」のメンバーで、
幼い頃からドラマで主役を張るような天才と謳われていたのだ。
幼少期から病弱だった彼女は、本を読むことが大好き。
そして、読んだ本の登場人物になりきって演技する癖があったという。
ところが、この日、若干15歳にして--迫力の「喫煙+ベッドイン」のFOCUS衝撃写真が巷を駆け巡ったのだ。
だが、この衝撃写真は、物語の第一章にすぎなかった。
編集部に写真を持ち込んだのは、彼女と交際していた18歳の少年だったらしい。
だが、なんとその後、彼の自殺体が茨城県山中で発見されたのだ。
おそらく、彼は反響の大きさに驚き、彼女の将来を奪ってしまったことをひどく後悔したのだろう。
彼ら二人は「積み木くずし」収録現場で知り合ったという。
その写真は「ニャンニャン写真」と呼称され、その年の流行語にもなっている。
この一連のスキャンダル報道は、日を追うごとに激化した。
手紙や会話の録音テープなどが暴露される。
「高部知子」のイメージは地の果てにまで堕ちてしまったのだ。
この前代未聞の画像流出がなければ、たぶん、実力派の女優になった円熟した彼女を
テレビで毎日のように我々は観ていることだろうに--