「ねじ」とは「締結する」ための部品です。
どのようにして「ねじ」は締結しているかを下図に示します。
ねじは頭部の「座面(bearing surface)」と「フランク(flank)」にかかる力で締結します。
「フランク(flank)」には角度があり「フランク角(flank angle)」といいます。
「ねじ」は「A締結物」と「B被締結物」を締結します。
「めねじ(internal thread)」のあるものが「A締結物」になります。
「ねじ」と「A締結物」の締結力により「B被締結物」が圧縮され締結します。
「ねじ」は回すことによって締め付けます。「回す力=締付トルク」の大きさは「軸力=締付力」と「ねじの呼び径」と「トルク係数」に比例します。
つまり、
「締付トルク(N.m)」=「トルク係数」×「ねじの軸力(N)」×「ねじの呼び径(m)」
の関係になります。
この関係から考えると
○「締付トルク」を上げれば「締付力」は上がります。
○「ねじのサイズ」を大きくすれば、「締付トルク」を上げないと「締付力」は下がります。
○「トルク係数」とは摩擦係数です。摩擦抵抗を下げると「締付力」は上がります。
実際の締め付けでは、相手材の強度・ネジ単体の強度・座面と接地面の状態などの締付条件設定が影響しますので、計算式だけで考えるのは問題があります。
しかし、この「関係式」が理解されていないために問題が発生した例もあります。
例えば、
「締付トルク」を上げて締めても、「トルク係数」が異常に高い場合(焼付きが発生しているなど)は、「締付力」が低下している場合があります。
いわゆる「斜め締め」という形で締め付けられると、相手材の材質によっては焼付きが発生し、「締付トルク」は上がっても「締付力」は上がらないという場合があります。
「ねじ」は真直ぐにリードに沿ってねじ込む必要があります。
ねじの先端にガイド部を設けるなどの対策を考えるのも対策の一つです。