『第一』『第二』列王記『王国の分裂』 
⑴乱れるイスラエル。
⑵預言者エリヤ。
⑶悪の王妃。
⑴乱れるイスラエル。
1:ソロモン王は、知恵に満ちた偉大な王だったが、外国人の妻たちのために異教の神殿を建て、香をたてる事を許し、ソロモン王は神の御心から離れ、偶像礼拝に落ち、神はその事を激しく怒り、ソロモン王の死後、神様があらかじめソロモン王に伝えていた王国の分裂の計画を実行に移し始めた。
2:ソロモン王の死後、息子のレハブアム王は父ソロモンよりも国民に過酷な労働や重い税金を課し、そのために人々はレハブアム王を離れ、ソロモンの家臣だったヤロブアムを10部族の王とし、レハブアム王は2部族だけを治め、エルサレムの王となり、これを『南王国』と言って、ヤロブアムは『北王国』を作り、イスラエルの10部族を治め、神の御言葉が成就した。
3:ヤロブアム王は南イスラエルの人々がエルサレムの神殿でいけにえを捧げるためにエルサレムに行かなくても良いように、2つの像を作り、金の子牛をベテルに置き、もう1つ金の子牛をダンに置いて、ベテルとダンに礼拝所を建て、レビ族でない者の中から祭司を任命して、自分勝手に、仮庵の祭りを毎年第8月15日にベテルで行う事にして、自らベテルの金の子牛像のために祭壇でいけにえを捧げた。第一列王記12:25〜33。
4:北王国のヤロブアム王が香をたこうと祭壇に近づいた時、1人の神の預言者がユダからやって来て、ヤロブアム王に『ダビデの家に、やがてヨシャという子が生まれ、彼は、ここに香をたきに来る祭司たちをお前の上に載せ、いけにえとして捧げ、人々の骨がお前の上で焼かれる』と告げて、ヤロブアム王は激しく怒り、護衛兵に『この預言者を捕まえろ!』と叫び、こぶしを振り上げたそのとたん、ヤロブアム王の手は麻痺して、預言者に『どうか、お前の神、主にお願いして、私の手を元どうりにしてくれ』と頼んで、預言者が祈ると、王の手は元どおりなり、ヤロブアム王は預言者に宮殿で一緒に食事をするように言ったが、預言者は主が『何も食べてはならない、水も飲んではならない、また、もと来た道に通ってユダに帰ってはならない』ときびしく言われていたので、彼はベテルに来た時とは別の道を通って帰って行ったところ、ベテルの老預言者がやって来て、ユダの預言者に『御使いが主のお告げを知らせてくれたので、あなたを家にお連れし、食事と水を差し上げるように』との事で、老預言者はユダの預言者をだまして、一緒に食事をしていた時、突然、老預言者に主の言葉が臨み、ユダの預言者に大声で『主は言われる!あなたは命令に背いて、ここへ引き返し、パンを食べ、水を飲んだ!あなたのなきがらは先祖の墓には葬られない!』と告げて、ユダの預言者は再び出発し、その途中、一頭のライオンに遭遇し、噛み殺され、死体は路上に転がっり、その出来事を聞いた老預言者は、死体をろばに乗せて自分の町に運び、懇ろに葬り、老預言者は息子たちに、自分が死んだら、ユダの預言者のそばに埋めてくれと頼んだ。ヤロブアム王は悪の道から離れず、礼拝所に祭られた偶像にいけにえを捧げるため、これまで以上に大勢の祭司を一般の民から募集し、そのため、誰でも祭司になれる事ができ、これは大きな罪だったので、やがてヤロブアム王国は滅び、その一族は滅び尽くされる事になった。第一列王記13:1〜34。
5:北王国のヤロブアム王は息子アビヤが重病になったため、妻に『王妃だと気づかれないように変装して、シロの預言者アヒヤの所へ行って』息子の病気が治るかどうか聞きに行ってくれと頼み、王妃は、シロにある預言者アヒヤの家に行き、預言者アヒヤは王妃に神、主から、ヤロブアム王へのお告げは『あなたはこれまでの王よりも悪く、私以外の神々を造り、金の子牛を造って、私をひどく怒らせ、私の恵みを無視したので、あなたの家に災いを下し、病気の子供だけでなく、他の元気な子供も全部絶ち滅ぼす!あなたの家族を肥やしのように全て葬り去る!町の中で死ぬ者は皆犬に食われ、野で死ぬ者は皆鳥に食われる』さあ〜家へお帰り、王妃が家の敷居をまたいだとたん、病気の息子が死んで、イスラエル中の人がその死を悲しみ、手厚く葬られ、主が預言者アヒヤによって語ったとうりなり、ヤロブアム王は22年の間王位にあったのち死に、その息子のナダブが跡を継いだ。第一列王記14:1〜20。
【北王国の混乱】
1:イスラエルの周辺には強い大国が次々と生まれ、それらの国が何度もイスラエルに攻め込んだ。特に北王国では、何度も将軍たちが王を殺して、王位を争うが、ダビデのように正しく国を治める王は出てこなく、国の中に異国の神の神殿を建ち並び、王始めとする国民は偶像礼拝にふけり、神に背き続け、神はこの事を怒り、他国がイスラエルに攻撃を仕掛けても、かまわずに捨ておいた。
⑵預言者エリヤ。

1:南北の王国がわかれて、70年ほどが過ぎた時代に北王国はアハブ王が治めていた。アハブ王は、シドンの国王女イザベルを妻に迎え、イザベルは、自分の国のバアルの神を信じる激しい王妃だった、アハブ王とはイザベル王妃は、バアルの神の祭壇を築き、異教の神を認めないイスラエルの預言者たちを何100人も殺すという悪事を行った。そのころ、北王国にはエリヤという1人の預言者がいた、神は、預言者エリヤに、アハブ王に『数年の間一滴の雨も降らず、露も降りない』と宣告し、3年間も姿を隠し続け、主に従った預言者エリヤは、ケリテ川のほとりに住み、毎日、朝と夕方の2回、カラスがパンと肉を運んでくるようになり、また、その川の水を飲んで、しばらくすると川がかれたので、その時、主の言葉が下されて『シドンの町に近いツァレファテ村へ行き、そこに住み、その村には、あなたを養ってくれる未亡人がいる、彼女には私が指示を与えておいた』主の言われた通りツァレファテに着くと、村の入り口で薪を拾い集めている未亡人に会ったので、水を一杯求め、彼女が水をくみに行こうとすると、エリヤは彼女を呼び止めて、『それから、パンも少し下さい』と言って、彼女は『あなたの神、主にお誓いして申します。家には一切れのパンもありません、あるのはつぼの底に粉がほんの少しと、わざかばかりの油が残っているだけです。それで最後の食事を作るため、薪を集めていたところで、その食事を食べてしまったら、息子と2人、飢えて死ぬのを待つだけです』と言って、エリヤは『心配する事はありません。さあ、最後の食事を作り、まず、私のために小さなパンを焼き、そうした後も、息子さんのために十分なパンが焼けるはずです。イスラエルの神、主が、再び雨を降らせ、作物の実らせる時まで、それらのつぼからは粉も油も無くならない』と主が約束されています。彼女は言われたとおりにすると、彼女とその息子とエリヤは、いつまでも粉と油で作ったパンを食べる事ができた。第一列王記17:1〜16。
2:3年後、神の命令を受けた預言者エリヤは、隠れ場所を出て、アハブ王に会いに出かけ、アハブ王と会った預言者エリヤは、北王国の国民の前で、主とバアルのどちらが本当の神かを試す事を提案して、薪の上にいけにえを用意し、それらを火で焼き尽くした方が、本当の神だと提案し、バアルの預言者がバアルの名を呼んだ時には、何も起こらなく、預言者エリヤが神の名を呼ぶと、天から火が降っていけにえを焼き尽くし北王国のイスラエルの国民はエリヤの神を信じ、エリヤの命令によってバアルの預言者たちを殺し、その後、海から雲が湧き立って空が黒くなり、大雨が乾いた大地に降り注いで、王妃イゼベルは預言者エリヤがバアルの預言者たちを殺したと聞くと激怒して、エリヤを殺すと誓い、預言者エリヤは王妃イゼベル恐れて、神の山ホレブに身を隠し、それを見た神は、臆病風に吹かれたエリヤの前で激しい風や地震を起こし、その力を示され、エリヤを励まし、勇気を取り戻したエリヤに、神は、ダマスコの地でエフーという北王国イスラエル軍の隊長に油を注いで王に指名すると、エリシャという若者に油を注いで、自分の後を継ぐべき預言者とする事を命じた。
3:やがて、主がエリヤを天に上げる時がが来た事を悟ったエリヤは、神の待つヨルダン川へと旅立ち、弟子のエリシャもエリヤについて行った、ヨルダン川のほとりで、エリヤは街灯を脱ぎ水面をたたいて、川の水が左右に分かれ、エリヤとエリシャは乾いた川底を渡り終えると、エリヤはエリシャに願い事をさせて、エリシャは『先生の霊の二つの分け前を、自分に継がせて下さい』と頼み、それは長子の相続を意味し、エリヤの後継者として、霊の力が与えらる事を願った。エリヤは天に上げられる時に、エリシャが自分の姿を見る事ができたならば、願いがかなうと言って、エリヤが語りながら進んでいくと、突然、火の馬に引かれた火の戦車が2人の間に割り込み、そして、エリヤを竜巻と共に天の彼方へ連れ去った。エリシャはその様子を見届けると、エリヤが脱いだ外套を拾い上げ、ヨルダン川のほとりに引き返して、その外套でヨルダン川の水を打ち、水が両側に分かれたので、歩いて川を渡り、エリコの若い預言者たちはこれを見て、口々に『エリヤの霊がエリシャに下った』と叫び、エリシャを迎えに出て、二度と地上でエリヤの姿を見る事はなかった。
【エリシャの活動】
【水の奇跡】第二列王記2:19〜22。
【未亡人を救ったエリシャ】第二列王記4:1〜7。
【シュネムの女の息子を生き返らせた】第二列王記4:8〜37。
【かまの中の毒】第二列王記4:38〜41。
【パンの奇跡】第二列王記4:42〜44。
【ツァラアトのナアマンとエリシャ】第二列王記5:1〜27。
【川に落ちた斧】第二列王記6:1〜7。
【目が見えなくなったシリヤ軍】第二列王記6:8〜23。
【包囲されたサマリヤ】第二列王記6:24〜33。
【包囲が解かれたサマリヤ】第二列王記7:1〜20。
【シュネムの女の家の畑】第二列王記8:1〜6。
【シリヤの王ベン、ハダデの死】第二列王記8:7〜15。
【エリシャの死】第二列王記13:14〜21。
【北王国イスラエルの王ホセアと首都サマリヤの撹乱】
   第二列王記17:1〜23。
【サマリヤへの移住者】第二列王記17:24〜41。
⑶悪の王妃たち。
1:アハブ王の妻イザベルは、異教の神を信じる悪賢い王妃だった、夫のアハブ王が、宮殿の近くのぶどう畑を欲した時に、計略を立てて畑の持ち主を捕え、無実の罪を着せて殺したので、悪行を続けたイザベル王妃に、神は、アハブ王の子孫が絶えると言う予言を下して、アハブ王や後継ぎの王子たちは次々と、戦争や事故、反乱などによる不幸な死にかたをしていった。
2:アハブ王の娘アタルヤは、同盟国関係にあった南王国の王のもとへ嫁ぎ、王妃となり、南王国の王の死後、アタルヤ王妃の息子のアハズヤが南王国の王となり、アハズヤ王は、北王国のヨラム王が戦争で負傷したと聞き、見舞いに訪れ、ヨラム王はアハブ王の息子で、アハズヤ王の叔父てあった。預言者エリシャはこの時、使いを送って北王国の隊長エフーに油を注ぎ、エフーを北王国の王にすると言う神の予言を伝え、エフーは兵を率いて反乱を起こし、自ら矢を放ってヨラム王を暗殺して、見舞いに来たていたアハズヤ王はエフーの兵たちに打ち倒され、ヨラム王の母イザベル王妃は息子が死んだと聞くと、化粧をし、城の高い窓からエフーを見下ろして、自分が少しも恐れていない事を、エフー見せつけようとしたが、イザベル王妃は兵にいた家臣たちに裏切られ、その窓から投げ落とされて死んで、エフーが北王国の王となった。
3:同じころ、南王国のアハズヤ王の母アタルヤ王妃も、息子の死の報せを受け撮った、アタルヤ王妃は、自分が南王国の女王となるために、邪魔な王子たちを次々に皆殺しにして、アタルヤ女王が南王国を治めた。
4:1人だけ助かった王子が、アハブヤ王の息子で1歳のヨアシュだけは、叔母のエホシェバに助けださせれ、神殿の物置に隠して、2人はそこで6年間過ごして、アタルヤ女王の第7年に、祭司エホヤダは、宮殿の近衛兵の百人隊長と女王の側近を神殿に呼び集め、秘密を守ると誓わせたうえでヨアシュ王子を見せ、次のように指示しました『安息日には、3分の1の者を宮殿の護衛に当たらせ、残りの3分の2は、神殿の警護に当たらせ、自分たちの武器を持って、ヨアシュ王子の回りを囲むのだ!囲みを破ろうとする者は殺さなければならない!片時もヨアシュ王子のそばを離れてはならない』百人隊長たちは指示どおり、安息日の勤務をしない者と勤務につく者とを、祭司エホヤダのところに連れて行き、祭司エホヤダは彼らを、神殿にあったダビデ王の槍や盾で武装させて、ヨアシュ王子の隠れ場所に近い、祭壇の回りを囲み、それから、祭壇エホヤダは幼い王子を連れ出し、頭に王冠をかぶらせ、十戒の写しを渡し、油を注いで南王国の王とし、人々が『王様、ばんざい!』と叫び、騒ぎを聞いたアタルヤ女王は、急いで神殿に行くと、民が皆大喜びで、ラップを吹き鳴らしていて、アタルヤ女王は『謀反だ!反逆だ!』と絶叫して、服を引き裂き、祭司エホヤダは百人隊長たちに『アタルヤ女王連れだ出せ!この女につく者があれば、殺してもかまわない!』と言って、彼らはアタルヤ女王を引きずり出して宮殿の馬屋へ連れて行き、そこで彼女を殺し、ヨアシュ王子を王座につけ、人々は喜びにあふれ、アタルヤ女王の死後、ようやくエルサレムの町に平穏を取り戻して、ヨアシュが王となったのは7歳の時でした。第二列王記11:1〜21。
【南王国の王ヨアシュ】第二列王記12:1〜21。